本とゲームのレビューと雑文が中心。

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

書評:ニューギニア高地人(極限の民族)
1963年の12月に、ニューギニア高地のダニ族・モニ族の集落に滞在したドキュメント。

カナダ・エスキモー アラビア遊牧民


(上記リンクは朝日文庫版だが、実際に読んだのは講談社文庫版)
当時(今もあんまり変わってない?)の日本人にとってのニューギニアのイメージは、首狩りや食人といった野蛮で危険なものばかり。そんなニューギニアのさらに奥地にて、現地の人々と生活を共にする体当たりルポ。

未だに石器時代で土器すら持たない人々。一応の耕作はするが肥料の概念すら知らない。周辺の部族との小競り合いはあるが支配欲は存在しない。文明人から見れば「有史以前」とも思える世界に生きる人々とはどういうものなのか。

ダニ族とモニ族という、対立する2つの農耕民族が暮らすウギンバ村が舞台。ニューギニアというとヤシの木に囲まれた海岸を連想するが、訪れたのは内陸部の高地で、「海」という概念すら知らない人々の集落。食事のほとんどはイモ類に頼っている。筆者は、前巻のエスキモー編で全く馴染みがない海獣の生肉食には順応できても、日本人にとって馴染み深いはずのサツマイモばかりの食事は受け付けなかったという。書中では慣れの問題だとしていたが、ごく近年の研究では腸内細菌の違いで消化機能が異なる事が明らかになった模様。見た目も文化も体のつくりも、日本人とは大きく異なる人々なのだ。

ニューギニア高地の自然環境がどのようなものであるかは、現地人と共に交易ルートを移動するくだりでよく分かる。移動の途中で、「このルートは外国人未踏」では無いことを知って、日本人のみで2日かけて元の村へ引き返すという、色んな意味で無茶苦茶な場面があるのだが、高地のジャングルは植物も水分も豊かでありながら、食料や水の確保が困難で人間にとって不毛の地というのは意外だった。

家の構造、道具の作り方や使い方、さらには歌の楽譜など資料も充実。また、他の文献も多数参照しているので、ニューギニアの文化に興味がある人にとっては基本となる本になりそう。

コメントの投稿

 管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバック URL

Copyright © 【かけるのブログ】. all rights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。