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書評:新ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論2
戦争とは何か、大東亜戦争(太平洋戦争)とは何だったのか。


前巻(戦争論1)を初めて読んだのは高校生の時。それまで、どちらかというと左寄りの歴史教育を受けていた自分に非常に衝撃的な本だった。戦前や戦中の日本人(祖父母の世代だ)に対する、素直に尊敬できない後ろめたくて暗い感情を吹き飛ばしてくれた、とても痛快な本だった。

それなりに多くの日本人にとって、学校教育というのは歴史を学ぶ事実上唯一の機会だと思う。特に昭和史は複雑な上に娯楽作品の舞台にもなりにくいので興味を持ちにくい。よって教科書や教師の教育方針をもろに受けた歴史認識を背負ったまま大人になる人が少なくないだろう。そんな中、若者が手を取りやすい漫画という形で、戦前・戦中の日本人の名誉回復を試みるのはとても意義がある。

心に残ったのは「戦犯」を扱った5章である。一方的な裁判で戦犯に仕立てられながらも、平和の礎になることを信じて笑いながら刑に処された人々がいた。彼らの最後は涙無くしては読めない。前田利貴大尉の話は特に凄絶。なぜこんな遺書を遺せるのだろうか。

部分部分で問題が無いわけではない。15章の中国史への認識はかなり気になった(冊封体制が受け継がれていたことを指摘した側で「歴史に連続性が無い」「王朝が変わるとことごとく前の文化を破壊しつくす」ってのはねえ。そもそも漢字は残ってるじゃないか)。それでも全体としてのメッセージ性は強烈。

あと、あまり話題にならないけど漫画としても良くできてる。文字だらけなのに読みづらい印象が無いのは、背景やコマ割りが考えられてるからだろうし、人物の似顔絵も上手い。憎まれ役をここまで悪そうに、かつしっかり描き分けられる人ってあんまりいないと思う。

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