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ゲームレビュー:ファイナルファンタジーIV(DS版)
数多いFF4リメイクの異端児。



リメイク回数がとにかく多い4のDS版。まずSFC版が最初にあり、イージー版(実態はインターナショナル版?)が発売され、リメイクとしては本作以前にも、ほぼベタ移植のWSC版・PS版、パーティ編成や追加ダンジョンを実装したGBA版がリリースされており、本作以降にもGBA版ベースの携帯アプリ版、同じくGBAベースで続編とセットのPSP版が存在する。移植回数はFF1に劣るが、バリエーションの多彩さはシリーズ最多。それらの中において、ひときわ異彩を放つのがDS版である。

最初にFF4そのもののレビューについて。ブログ主はSFC版当時のリアルタイム世代であり、同世代には本作を高評価する者も多いのだが、個人的にはFFシリーズの中での評価は高くない。戦闘は正攻法主体で、メンバーやアビリティのアレンジも出来ない。一言で表すと「FFらしさ」が薄い。ストーリーは終盤近くまで、主人公達の行動がひたすら事態を悪化させ続ける展開でげんなり。「自分の操作が世界を変える」という、RPGならではの達成感が乏しい。極論を言うと物語の合間に戦闘や探索という「ミニゲーム」をするRPGとなってしまっている。その肝心の「ミニゲーム」ですら他作と比べると単調で地味なのがFF4なのだ。

そんな感想を抱いていたブログ主は、このDS版を高く評価している。もともとシステムとストーリーが乖離しているゲームなので、何ら設定上の裏付け(例えばFF5におけるクリスタルのような)を持たないデカントアイテム(使うとアビリティを追加できる)や、何の脈絡もなく追加された「オニオン」シリーズ(ご存じ「FF3」からの使い回し)のレア装備は、単純に遊びの幅を広げるアイディアとして素直に受け止めることができた。デカントは戦闘中のコマンド変化だけでなく、Lv70以降のステータス上昇と関連づけたのもいいアイディア(FF6の「魔石」風)。ゲーム内での説明が不足しているのはちょっと不満。初心者の館でヒントくらい出せば良かったのに。

戦闘バランスは、敵も味方もパワーアップしている印象。追加アビリティはもとより、既存のアビリティの強化も目立つ。中盤以降の敵の属性攻撃が強すぎて、運とレベル次第であっさり全滅するのが最初は気になったが、元々FF4はセーブポイントだらけで、レベルも上がりやすいので、実際はそれほど難易度が高いわけでもないだろう。アビリティの自由度が増えた反面、装備品の選択肢が下がったのは残念。セシルが弓を、エッジが爪を装備できなくなり、弱点や種族特攻の効果も大幅に弱くなった。ともかく原作とは大幅に変更されているので、既に遊び尽くしたプレイヤーでも楽しめると思う。

ちょっと面白いと思ったのはライブラのシステム。一度でも成功すると、次の戦闘以降も同種のモンスターに対して効果が発揮されたままになる。ターゲット選択時に残りHPや弱点が見られ、さらに物理攻撃の命中率まではっきり表示される。これでモンスター図鑑と連動していれば文句無しだったのだが、図鑑では戦闘パラメータは一切表示されないのが残念。

レアアイテム探しといった既存のやり込み要素に加え、カスタマイズの自由なアビリティ、レアアイテムとアビリティを引き継げる周回プレイなど、遊び込める要素は満載。ちょっとやりすぎな強さの追加ボスがいるのはいいが、追加ダンジョンが存在しないのは残念だ。ボリュームとしてはGBA版に劣るか。

キャラデザインは全編通してデフォルメされたポリゴンモデル。頭身の高いCGはオープニングデモにしか出てこない。天野さんの原画に忠実な色使いはポリゴンモデルには合わないと思う(特に、唇の色が青かったり緑だったり)のだが、慣れてくると愛着が沸いてくる不思議。そんなキャラによるムービーシーンはDS版の売りの一つだが、正直声がいまいち。声優さんは演技力というよりジャンル(アニメ・映画吹替・舞台俳優など)がバラバラで噛み合っていない感じ。豪華声優の無駄遣いもいいところだ。また、原作におけるイベント戦闘シーンを必要以上に再現しているのが良くない。SFC版では、戦闘シーンを使うことで通常シーンより迫力がある演出を可能にしたが、DS版においてはボイス入りでカメラワークも自在なムービーシーンのほうが演出効果が高い。例えばリディアのタイタン召喚、ゼムスを封じるフースーヤ達などは、そのままムービー上でやるべきだったんじゃないかなぁ。ムービーばかりだと容量的やコストの点で問題だったのかも知れないが。

伊田恵美さんの歌う「月の明り(愛のテーマ)」は好き。カイン視点の歌なので、やや中性的な彼女の声はよく合っていると思う。過去にも愛のテーマは「光の中へ」というローザ視点?の歌詞が付けられていて、そちらはそちらで尊重するが→参考リンク(ニコニコ動画)、エンディングで流すならカインの心情がふさわしいし、カインに合うのも伊田さんの方だろう。

最後にバグについて。今作は戦闘中のバグがほとんど無い(補助魔法の知性アンダーフローくらいだが、あまりゲームには影響がない)かわりに、進行に関わる重大なバグがいくつも存在している。本来なら許されざることだが、ゲーム内の開発室で品質管理担当者がバグ取りをネタにしているおかげで捨て身のギャグとして楽しめる!?まあ実際に遭遇した人はとても笑えないだろうから、今から始める人は攻略サイトなどで要チェック。

DS版の評価は何から何まで賛否両論。自分のように、元のSFC版があまり好きではなかった人の方が楽しめるのかも知れない。

おまけ:自作の攻略メモ

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