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書評:模倣犯
過去の強盗殺人と現在の猟奇殺人が重なり合う。大長編サスペンス。







派手な犯行声明を送りつける猟奇的な連続殺人事件が発生。様々な人たちが事件の真相を追っている中、突然現れた真犯人が事故死して終わるという、推理小説として読んでいた人にとってはあんまりな展開の第一部。その後は犯行に至るまでの経緯を「犯人」の側から描写し、第三の犯人「ピース」が生きていたことが判明。なるほどこいつが新たな共犯者とともに「模倣犯」を演じるんだなと思ったらさにあらず、何と三人目の存在を自ら唱えるという行為に及ぶ。

登場人物が善悪ともに魅力的なので読んでいて楽しい。豆腐屋の義男じいさんの活躍がとにかくかっこいい。浩美を止めようとする和明が切なすぎる。殺されていく側の描写は真に迫っていて怖い。

長編小説としては伏線の作り方がやや荒っぽい気がした。例えば樋口めぐみの件は序盤から引っ張ってた割にはあっさりしすぎてたし、あと全体として「偶然」の働きが大きすぎる。関係者が近くにいすぎ。頭がいいようで実は穴だらけだったピースの化けの皮が剥がれるのも早すぎたしなあ。「カズとヒロミの事故死は計画通り」くらいやってのけて欲しかったが。全体としては気になる部分も多いけど、続きが気になってぐいぐい読み進んでしまうのは元が連載小説だったからか。夜通しで本を読んだのは久しぶりかも。

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