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書評:痛快!憲法学
ヨーロッパ史から学ぶ憲法の話。日本国憲法はもう死んでいる!


堅いテーマだが、筆者と編集者の対話という設定なので読みやすい。ところどころに「北斗の拳」のコマを引用してたりしてライトな印象を与えようとしている感じ。

日本国憲法をめぐる改憲だとか護憲だとかの遙か以前の話、つまり「憲法とは何か?」という所から話が始まる。というわけで始まりは中世→近世→近代に至るヨーロッパの思想の歴史。RPGの舞台などで安直に用いられる中世ヨーロッパや、表面的な行事などは身近なキリスト教について、いかに自分が無知だったかを思い知らされた。あらすじは学校の世界史の授業と同じなんだけど深さと読みやすさが全然違う。教え方って大事だ。

高校時代、あるいはせめて大学時代にこの本を読んでいれば、勉強に対する熱意が全然変わっていたと思う。これを見ている学生(特に政治、経済系)諸氏はぜひ読むことを勧める。たとえ買わなくてもあちこちの図書館にあるはずだ。

「少年犯罪の凶悪化」というありもしない(しかし、「ある」ような印象は強い)事柄を持ち出して(しかも、冒頭と結びで2回も)持論に説得力を持たせるやり方は気になるのだが、全体としては些細な問題だと思う。要はプロテスタントにとっての「神」のような絶対的な支柱が無いと民主主義は死に、憲法も死ぬということ。

ヨーロッパ式の民主主義と資本主義がプロテスタントの予定説、もしくはそれに変わる何か(天皇とか)無しに成り立たないのであれば、これからの日本が目指すべきは、”死んだ”これらの復活ではなく、新しい道を探ることなのではないか、というのが率直な感想。それが何かはわからないけど、少なくとも真の民主主義を日本で復活させるのはすごく困難じゃないかなぁ。

これが発行された2001年と現在の状況はほとんど変わっていない。第二の「維新」は果たして可能か。

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