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書評:愛のひだりがわ
大人も楽しめるエキサイティングな児童文学。


無政府状態とまではいわないが、そこそこ荒れ果てた近未来の日本が舞台。不幸な境遇におかれた孤児の「愛」が、父を訪ねて旅に出る大冒険物語。

不自由な左手と引き替えに犬と会話できる能力を持つ愛。彼女の左側には常に誰かがいて、出会いと別れを繰り返しながら、知恵と勇気を駆使して旅を続ける。老獪なご隠居、科学少年、暴走族のリーダー等といった個性的な仲間達との道中の果てに行き着く、ちょっと切ないけど希望のある結末。

とにかくパワーがあるエンターテイメント。「日常から非日常に」「不思議な能力」「悪い大人との戦い」といった、誰もが子供の頃に夢見るような冒険物語をベテランがまとめたような小説。特に犬に出会ってからの快進撃のカタルシスはとっても楽しかった。童心に返って胸躍らせながら読める本。

意味ありげだけどぜんぜん生かされない特殊能力とか、序盤のエピソードで完結したような人物を強引に後半に持ってきたりとか、荒削りにも思えるプロットは敢えて狙ってやっているような気がする。一歩間違えればたぶん台無しになってしまうようなところを、ぎりぎりのところで持たせている感じ。

小学生時代の自分に渡したら大興奮して一気に読んでしまいそう。テレビゲーム世代のための児童小説ってところかな。

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