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ファイナルファンタジー1 ストーリー考察
FF1のエンディングから見られるシナリオ全体に関する解釈。メタな妄想を含む。
一部、2chのFF1総合スレに投稿したネタもあるので、人によっては既視感を覚えるかも知れません。
まずはFF1のあらすじを確認。自分の言葉での説明だからニュアンスが伝わりきらない部分があるかも知れない。詳細は各自ゲームを立ち上げるか動画サイトなどで確認を。

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破滅が近づく世界にどこからともなく現れた4人の光の戦士が、乱心した王国騎士のガーランドから王女セーラを助け出したことが全ての始まりとなる。彼らは世界を巡って、全ての源である土・火・水・風の力を奪う「カオス」を討伐し、クリスタルに輝きを取り戻す。

光の戦士達は悪の正体を追い、クリスタルの導きによって過去へと飛び立つ。なんと元凶はガーランドだった!彼が未来へ「カオス」を送り込み、世界を導くはずの4つの力を操り、それによって未来の自分自身を過去に呼び戻す無限ループを形成していたのだ。

光の戦士達が過去の世界のガーランド=カオスを倒すことで時の連鎖は断ち切られ、世界は元の姿を取り戻した。王女たちはもちろん、ガーランドさえも本来の姿で平和に暮らす世界では、光の戦士達の活躍は誰も覚えていないはずだった。

しかし彼らは、心のどこかで覚えている戦士達の冒険を架空の物語として語る。エルフ、ドラゴン、高度な文明……。戦士達は戦いの記憶を胸に、この世界を見守っていくだろう。そう、2000年の時を越えて戦っていたのは君なのだから。

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概要の半分近くがエンディング部分になってしまったが、以上である。悪の元凶たるラスボスさえも救済される(しかも魂の浄化とかではなく、人間として)エンドは今でも珍しいのではないだろうか。

注目すべきは、「世界の元の姿」や「架空の物語」とは一体何か、という点だ。単にカオスの影響が取り除かれたものだとすれば、平和な種族であるエルフや、ドラゴン(FF1には善性のドラゴンも出てくる)までが架空の存在になってしまうのが不可解だ。

その答えは「時を越えて戦っていたのは君なのだから」という一文が示している。これは比喩ではなく文字通りの意味なのだ。すなわち元の世界とは現実の世界であり、光の戦士達はプレイヤー自身(および、友人や兄弟などの仲間達)であり、セーラやガーランドもきっとプレイヤーの身近にいる誰かなのだ(例えばクラスのアイドルとかいじめっ子とか、そういうポジションを想像した)。

ほとんど何の説明もなく登場したプレイヤーキャラ(これは重要である。いかにリメイクされようとも、この部分だけは変わらない)が、最終的にプレイヤー自身と一体化するという壮大な仕掛け。意識したのか偶然なのかは知る由もないが、後にFFシリーズと共に2大RPGと並び称される「ドラゴンクエスト」の1作目において、プレイヤーの分身たるロトの末裔が、エンディングでプレイヤーの手を離れた事と比較すると正反対の構造になっている。

もう一つのキーワード「架空の物語」とは、ファイナルファンタジー(1)自身であると同時に、世界に存在するあらゆるファンタジー作品であるとも解釈できる。「いや、それは風呂敷を広げすぎだろう」と思う向きもいるだろうから、ぐっと縮めて「後に続くファイナルファンタジーシリーズ」としてはどうだろうか。

ファイナルファンタジー2は、ストーリーも世界観も前作と共通するところが無く、一部の名詞やグラフィックパーツを流用している以外に前作との関連は無い。にも関わらず2作目を名乗っているのはなぜか。それは前作のエンディングで語られる「架空の物語」のもう一つのバリエーションであるから、というのが答えなのではないか。もちろん3作目以降も同様である。すべては光の戦士達の冒険の記憶から紡がれた物語の一つなのだ。

GBA版やPSP・iPhone版のFF1においては、後のFFシリーズからアイテムやボスモンスターが逆輸入されている。節操もなければストーリー性も無い、単なるファンサービスのようにも思えるが、追加要素の数々が「架空の物語」達の「種」になっていると考えれば、FF1の要素として必然性を満たしていると言えるのではないか。後のFFシリーズからの逆輸入ではなく、リメイク版FF1に見られる要素の断片こそが後のFFシリーズの元になったのだ!という逆転の発想である。

FF1は、始まりにして全てを内包している壮大な物語なのだ。

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以下余談。ここに書いたような話って「ディシディア」のシナリオと関係していそうなので近いうちにやってみようかと考えている。2作目の「ディシディア デュオデシム」は、「ディシディア」前日談であると同時に「ディシディア」のリメイクも収録されているみたいだし。まあFF7以降は未プレイだから付いていけないネタもありそうだけど。

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