本とゲームのレビューと雑文が中心。

書評:電子メディアのある「日常」 ケータイ・ネット・ゲームと生徒指導
表題の件に関する教育関係者の論文集。基本的に現場の教師向きか。


出版は2004年。中のデータは2000年前後のもの。ブログ主はちょうどこの時期に高校時代を過ごし、インターネットや携帯電話にも出会った世代。教育関係者ではないが(教職課程すらとってない)興味深く読み進めた。全体的には電子メディアに対して肯定的な見方である。

本書の半分ほどを占めるのは「ケータイ」の話。高校生を対象として、生徒や学校のタイプ別にケータイとの関わり合いを比較。進学校と非進学校ではかなり違うらしい。一方にいたのではなかなか見えてこない部分だろう。生徒の自主性に任せるだけでうまくいく学校がある一方、授業中にメールが飛び交い、規則でケータイの持ち込みを禁止せざるを得ない学校も確かに存在しているのだ。そりゃ教育側の環境によってケータイに対する印象が変わるのは当然だろうな。そんなこととは別に、絵文字を駆使したメールのやりとりの「翻訳」とか面白かった。

テレビゲームについては、成長過程において衝撃的に登場した「第一世代」と、生まれたときからあって当たり前の「第二世代」の意識のギャップを紹介。どちらかといえばネガティブな感情を持っている第一世代と、あくまで一つのツール・おもちゃとして使いこなす第二世代の違い。RPGなどの進行度を競走するような、間接的にゲームを使ったコミュニケーションはゲーマーには常識だけど、そうでない人にはやや意外だった模様。ちなみにかの「ゲーム脳の恐怖」は暴論として切り捨てている。

ネットについては、主に「ウェブ日記(書中で「ブログ」という言葉が使われていない所に時代を感じる)」による自己表現について。俗説とは異なり「現実とは違う自分」を演出している人は少ないという調査結果。自分の内面を文章化することでの自分探しに使う人がいる、かあ、なるほど。

社会が豊かになると全体としての労働や学習の必要量が少なくなり「ひま」な時間が増え、そこを埋める形で手軽な娯楽が普及する。しかし道徳・倫理的には若者の「ひま」な時間をまだまだ許容できない文化がある、という説は興味深かった。

コメントの投稿

 管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバック URL

Copyright © 【かけるのブログ】. all rights reserved.