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書評:モンスターハンター 狩りの掟
小説版モンスターハンターの第1巻。第1シリーズの第1巻なので、モンハン小説の始まりの始まりである。

関連レビュー:英雄の条件(2) 長の資格(3) 狩りの追憶(4)


これぞ王道のゲーム小説という感じ。田舎者の新人である主人公、ツンデレお嬢様、寡黙な怪力執事、空気を読める変態紳士というパーティメンバーを筆頭に、さらにゲーム内NPCの裏の顔(?)や、反狩猟団体の代表など、とにかく個性的なキャラが登場。個人的にはヒロインのキャラ付けはあまり好きにはなれなかったけども。

刊行が2004年の6月であり、まだ本格的なブームになっていない頃。続刊も確実では無いためか、1冊で充分楽しめるように色んな要素を詰め込んだ感がある。
氷川氏による第2期ノベライズと異なり、副題に通し番号が付けられていない)
その一方で続刊以降の「伸びしろ」も十分に確保しており、どう転んでも大丈夫な構成。

普通、この手のゲーム小説は「ラスボスの撃破」を以てエンドとするのが常識だが、本作ではそうなっていない。そもそも救世主ではなく一介の狩人のロールプレイをするゲームなので、そうする必要もない。また「ラスボス的存在」の公開を未だに許可しないメーカー側の規制もあるのだろう。結果として、こういう「制約」は小説を書く上ではいい意味で影響を与えたと思う。

ただし初期の作品であり、そもそも以降にしっかりとしたシリーズになることを想定していなかったというのもあるだろうが、本作で描かれる設定については結構な疑問がある。ハンターズギルドが王国の未承認組織ということになっていたり、飛竜保護団体を名乗る暢気な集団が狩り場にまで押し掛けてきたりするのは今読むとかなりの違和感。一応、設定資料集であるハンター大全とはほとんど同時期の出版のはずなんだけどなぁ。最初期の作品のためかファンの受けも良く、設定考察の際にもよく持ち出されるので始末が悪かったりもする。

一方でラオシャンロンを「討伐はとうてい不可能」という設定にしたのは悪くないと思っている。天災にも喩えられる古龍を当然のように討伐してのけるのは、基本的にはゲームならではの仕組みなのだろう。

モンスターハンターの公式創作物としては気になる部分はあるが、読んで損はない1冊だとは思う。

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