SFC実機でプレイ。97%までクリアしたのでその感想。
概要
『カービィ3』はリアルタイムではスルーしてしまった1本である。まず前作である『SDX』と比べてあまりにも画風が変化した(輪郭の太いビビッドな配色から一転して、色鉛筆や水彩画風のパステルタッチになった)ように感じられたのがまず大きい。発売時期も1998年という半端な時期(個人的にはポケモンに没頭していた)であり、その後も購入どころかプレイする機会すら全く無いまま20年以上が過ぎた。
『3』は『2』の影響が強いという。『2』といえば歴代でも『SDX』と一二を争うほど好きである。遊びが詰まったおもちゃ箱のような『SDX』に対して、必要最低限のパーツで構成された機能美のようなものを『2』には感じる。『3』はさらに洗練され、文字情報や数値パラメータ(得点とか)極限まで切り詰められているというのが触ってみて感じた第一印象である。
本編クリアまで
アクション面に関しては、意外と機敏であったりスライディングやボタン連打でのホバリング等、見た目の印象とは異なり『SDX』からの引き継ぎが少なくない。ガードコマンド自体はなくなったがパラソルのしゃがみ時で似たような体勢となる。『2』で強かったパラソルクーやスパークカインが露骨に弱体化したのは残念だったが。
『2』との大きな違いとして、道中での仲間の乗り降りが自由にできるようになった。癖の強い能力でも一旦降りることで柔軟な対応が可能。その代わりに体力がカービィと共有になり、盾として使用できなくなったのだが。
中盤あたりから「キャラより手前側のレイヤーにエフェクトが発生して視界を遮る」というギミックが多発。難易度調整としてはあまり好きになれない。せめて能力や仕掛けによって晴らすことができればよかったのだが。
4面ボスのアドがお気に入り。まず「手描き風のグラフィック」という本作においてイラストを手描きする(結果として「さらに手描き風のグラフィック」となる)というメタな演出。「雲の面だからボスはクラッコだろうなあ」というシリーズプレイヤーの予想を裏切ったと見せかけてちゃんと応えてくれるのも面白い。
後半のステージでは油断するとゲームオーバーになる。コースの最初からのやり直しとなるので残機が割と意味を持つ。序盤のステージであればインフレ気味に増えるので、謎解きついでに残機稼ぎというプレイスタイルを想定していたのだろうか。
ところで細かいところだが、当時の任天堂系アクションゲームとしては珍しく「クリアしていないステージからも、ポーズメニューから自由に脱出できる」というのは評価。むしろ今までできなかったのはなぜなのか。残機を維持してのステージ脱出が嫌だったのか。いっそのこと残機制を廃止してしまってもよかったと思うのだが。本作に限らず、残機制というアーケードゲームの亡霊がコンシューマゲームに与えた悪影響は根深いと思っている。
『2』と同様、謎解きが未遂だと真のラスボスが出現せずに仮エンディングとなる模様。これはいわゆる桜井カービィとの大きな違い(『夢の泉』『SDX』では、単純に先へ進めば真のラスボスが出てくる)である。『2』の謎解きはそれほどでもなかった(当時中学生だがノーヒントですんなり解けた)が本作では厳しく、この匙加減は微妙。
謎解きについて
まず最初のコースにおけるミッションクリアからして難しい。「コース内のチューリップを踏まずに(攻撃を当てずに)クリアする」という、いきなり前作までにはなかった条件が求められる。今まではコース内の隠し要素を開く手段といえば「壊す」か「倒す」かが基本であり「ピンクの悪魔」とまで呼ばれていたカービィが花を守りながら進む(しかも地上戦に特化した仲間キャラがいる上、無敵キャンディまで置いてあるので踏んでしまいやすい)。本作の世界観を端的に示す面白い条件だと思った。かと思いきや3-1では守るだけでは駄目で、キノコを残して花を潰さなければならないとは。やっぱり悪魔だよこいつ。
そして「チューリップを踏まずにクリアする」という条件は直接示されない。ゴール前にいる大きなチューリップが悲しそうな顔をしているのを見て、同コース内に存在する小さいチューリップと関連付けるという推理が必要だ。
最初のうちは難しかった謎解きも「花を守る」「ミニゲームをクリアする」「特定のキャラを連れて行く」「コース内のアイテムを拾って届ける」といったパターンがわかってくるとスムーズに解けるようになっていった。アクション面で苦戦したのはリックを最後まで連れて行く4-5。飛行能力を一切使用せずにアスレチック面を進まなければならないのは新鮮だった。
とはいえ全体的にかなり難しかったと思う。ノーヒントは面白い試みだと思ったが、本来であればプププランドの住人なのでロールプレイ視点では当然会話できるはずで、プレイヤーの立場でノーヒントを強要されるのはちょっとフェアじゃない感じがした。
また、ミニゲームではやることは明確だが難易度が高い。数当て系に大苦戦。直接の難しさもあるが、再挑戦までの手間がかかるのが厳しい。前作のミニゲームもパーフェクトは難しかったが、あちらはあくまでもアクションの延長線上だった上に、リセットすればすぐに再挑戦できるようになっていたので心理的な負担は段違い。結局、ある程度ヤマを張るようにして強引にクリアした。
とはいえ前作の条件だと全体的に簡単すぎて、シリーズに慣れていればデデデと戦う段階ですべての要素を集めてしまってフェイクエンドを見られない場合が多いので、このくらいの歯ごたえは必要だったのかも知れない。
以下、ノーヒントでは解けなかったもの。
1-2。まず機械系のキャラだと思ってスパークを試す。バネじかけのおもちゃに見えたので、おもちゃ繋がりでピッチスパーク(ラジコン)を飛ばしてみるが反応せず。ナゴパラソルでホッピングの動きをしたのでこれかと思ったが違う。ドアの周りにいるバネじかけの敵をカインクリーンで捕まえてくるのかと思ったが当然ドアはくぐれず。他にもいろいろなコピーを試したが、これ以上は不毛な総当りになると判断してネタバレ。チュチュすっぴんで撫でる(捕食行動)だと…?!
3-2。床掃除を手伝うという意図は汲めたので真っ先にクリーンを試したが反応せず。ピッチの水撒きなど、仲間キャラを変えてみても同様。一通りの能力を試しても駄目だったので上と同じ理由でネタバレ解禁。クリーンは正解だが、使うのはキャラのいる部屋ではなくその先だったようだ。
4-1。マリオシリーズのファイアフラワーそっくりなので燃やしてみたら潰れる。花ならやはり水かと思ってピッチクリーンで水をかけても駄目。逆にアイスはどうだろうかと、わざわざ別のステージから長々と持ち込んで試したがこれも違う。あとは片っ端から能力を試したり、キノコの時のように綿毛を潰してみたりしたが駄目。答えは、クリーンはクリーンでもリックかクー限定とな。
裏ボスはあっさり倒してしまった。ダメージが残っていた状態での初戦こそ第一形態でミスしたが、2度目は最後までストレート勝ち。設定上は前作のボスと繋がりがあるようだが、反射で大ダメージを与えるというギミックがなくなっていたのが少し残念。
クリア後のおまけについて
冒頭で「97%でクリア」と書いたように、ぼすぶっちやMG5はクリアしていない。というか単純に面白くないので、頑張ってまでクリアする気にならない。
ぼすぶっちは一切の回復抜き、かつ能力や仲間抜きで全ボスと連戦しなければならない。これが厳しい。すっぴんかつダメージを受けない安全策で戦う場合、2面のアクロ(積極的に攻めようとすると被弾が避けづらい)と4面の最後のクラッコ(吸い込める弾を出す頻度が低い上に耐久力が高い)が鬼門。はっきり言って全然面白くない。無理してクリアを目指せば、達成できてもできなくても間違いなくこのゲームが嫌いになると思う。
ゲームデザインとしては『SDX』の「格闘王への道(最初に好きな能力を選べる、5回まで回復可能)のほうが遥かに面白い。このあたりはゲームデザインとしてのセンスの差が如実に現れている。せめてすっぴん状態でもテンポよく倒せるようになっていればマシだったのに(『2』だと再挑戦も苦にならず割とすんなりクリアできた記憶がある)。
MG5については本編でもさんざん苦労したミニゲームを連続ノーミスでやらされるという時点でうんざり。実は時間制限がないので動画撮影して見返せば楽勝という話を聞いたが、そこまでしてクリアしたいとも思わない。
総評
見た目の雰囲気と難易度が噛み合っていない、と感じた。少なくとも当時までのカービィシリーズの中では一番難しいのでは。『2』の正当進化のようなものを期待していたので、ゲームとしては面白かったがやや期待はずれであった。少なくとも(『2』『SDX』のようには)あまり人におすすめしたくはない。
逆説的にいえば、本作をプレイすることで改めて『2』と『SDX』の面白さや完成度の高さを理解することができた。カービィシリーズではこの2作こそが至高である。
もし僕が本作をリメイクするとしたら「会話イベントでのヒント」「ミニゲームステージは独立(『2』のように)」「残機制の廃止」「ぼすぶっちには好きな能力と仲間を持ち込める」などの改変をしたい、と思った。
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