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【ポケモン】ドードリオと古代中南米の謎
攻略本「ポケットモンスター図鑑」の記述で、未だに気になっている部分の話。

初代ポケモンにおいて最初期に発行された攻略本である「ポケットモンスター図鑑」。以前このブログでも軽く紹介したのだが見どころの多い本である。今回はその中でも「ポケモン大百科」という、ゲーム内のポケモン図鑑の文章を元により膨らませたポケモンたちの設定が語られているパートに注目する。

一部を紹介しよう。ガーディの解説では「このポケモンの進化の鍵は「いし」であることが判明した」というゲームに関する直接的なヒントがある(それとは別に、攻略ページでは全ポケモンの進化方法が明記されているのだが)。フシギダネの解説では「動物か、それとも植物の仲間に入れるか、研究者のあいだでは、もう6年も議論が戦わされており、いまだに決着をみない」という、開発に6年かかった(このことは同巻末の開発者インタビューで真っ先に語られている)というメタな事情を思わせるネタがある。

ユンゲラーの解説では、ゲーム内の図鑑説明を引用した上で「ユンゲラーを題材にした小説『変身』が、<第2回>ポケモン文学賞を受賞したのは記憶に新しい」と、世界設定からやや浮いた印象のある「超能力少年がベッドから目覚めるとユンゲラーに変身していた」という一文を創作の一部だということにしている。同時に元ネタは明らかにカフカの『変身』であり、これを知っている読者をニヤリとさせる、あるいは想定読者である子供が、将来この作品を知った時に「ユンゲラーの元ネタだったのか!」と気づかせることを狙ったものだろう。

ファイヤーの解説では「彼女の燃えるような羽は見るものを圧倒するだろう」と、突然女性扱いしている(フリーザーとサンダーは性別を特定する表現はない)。これだけ見ると意味不明なのだが、手塚治虫の『火の鳥を読んでいるなら、同作を踏まえて女性のように扱っていることにも納得するはずだ。同時に(『火の鳥』由来なら)生物的な意味での「雌」というわけでもないので、『金銀』において性別がない(タマゴを産まなかったり「メロメロ」が無効だったりする)こととも矛盾しない。同書におけるニドラン♀の生殖に関する記述(ニドリーナになると卵を産めなくなる)は『金銀』にしっかり反映されている点と一見対照的だが、元ネタを踏まえるなら生物としてのカテゴリが異なるので当然である。

さて、上記のように様々な形で図鑑の文章を拡張している「ポケモン大百科」なのだが、ひときわ異彩を放つ記述がある。ドードリオの説明において、ゲーム内の図鑑説明の後に「中南米の奥地で、古代、ドードリオをシンボルとした宗教が栄えた、との歴史家の証言もある」となっている。これを読んだ当時「へえ、中南米にはそういう神様がいたのか」と思ったのだが、後にマヤ文明やアステカ文明の本を読んだり、インターネットで調べてみてもそのような神は未確認である。そもそも中南米方面では、3つ首鳥どころか多頭多面の神(怪物)すら見つからない

ゲーム内の図鑑をそのまま使用した前半部分である「3つの頭は、喜び、悲しみ、怒りの感情を表す」という部分については阿修羅のイメージで間違いないだろう(厳密には、阿修羅/アスラ本来のものというよりは興福寺の阿修羅像の特徴のようだが)。「感情を表す」という言い回しからして、生物というよりも作品の説明のようなので、像のモチーフとしての神格というイメージが湧いたのかも知れない。それにしても「中南米」ってどこから来たんだろう?阿修羅の伝承や信仰は広範に渡るが、それでもユーラシア大陸を出ることはないだろう。まして中南米という新世界には到底たどり着かない。

田尻さんたちの世代にとって、3つ首と言われて真っ先に思い浮かぶのはキングギドラだろう。もしやこれが元ネタ(ゴジラが日本の離島に伝わるように、キングギドラは中南米に伝わる怪獣という作中設定がある?)かと思って調べてみたら、いずれの作品でもキングギドラは地球外から来た怪獣ということになっている。他に特撮怪獣で3つ首っていたかな、と思って調べたが、「古代怪獣三つ首竜(スペクトルマン)」にしても「ファイヤードラコ(ウルトラマン80)」にしても中南米とは無関係なようだ。

結論としては「わからない」である。ドードリオに関する記述そのもので検索してみても深追いしている人は見つからなかった(ファイヤーの女性扱いについてはツイッターだかで話題になっているのを見たのだが)。今後、何かわかったら追記するという前提で、とりあえずブログ記事として目立つ形でアンテナを立てておく。

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