レビューというほどでもないのだが。
風来のシレン(1作目のSFC版)が20万本ちょっとしか売れていないらしいというのを知ったのは割と近年になってからである。僕にとっては意外すぎる数字だった。体感的にはミリオンくらい売れていると思っていたのだ。90年代中期という家庭用ゲームの最盛期においてこれだけ?ファミ通で発売1年前から4ページにもわたる特集を組んでいたのに?発売前から設定資料集(キャラクターデビューブック)を売るなんてVIP待遇は他にFFシリーズくらいでしか見たことなかったのに?ファミ通では「シレンジャー」と称して発売後もかなり長期に渡って記事が載ってたのに?たった20万本しか売れてなかったってマジかよ!
まあ冷静に考えてみるとわからないでもない。前作『トルネコの大冒険』はドラクエという巨大ブランドがあった。本作は『不思議のダンジョン』としての2作目ではあるが、この名前にブランド力がさほどあるわけではない。キャラクターに関しても、前述のデビューブックを出すなどPRはしていたようだが、そもそも主人公のシレンの「三度笠の渡世人」という出で立ちは、当時の小中学生には魅力的には映らなかったはずだ。もっと上の世代なら『木枯し紋次郎』とか『てなもんや三度笠』で馴染みがあるのだろうが。
2000年頃になっても、新品の在庫がダブついて1つ200円くらいで投げ売られていた記憶がある。メーカーの見込みよりも売れ行きが悪かったのだろう。現在では再評価され、中古でも1000円以上の値段を付けることが多いのが嬉しい。
ゲームとしても個人的に高く評価している。プレイヤーの取れる行動、特にアイテムの応用範囲が広がり、知識と経験によってゲームが上手になっていくというのを強く実感できる。最初のうちは装備を少しずつ強化しながらおっかなびっくりプレイしていたのが、今では初回クリアも高確率でできるようになった。特に久々にプレイして気づいたのは「白紙の巻物」の出現率の高さで、プレイヤーの知識が直接的に反映される仕組みになっているのだと思った。モンスターハウスの巻物を使えばラスボスを問答無用で消滅させられると知ったときは驚いた(この巻物自体がクリア後ダンジョンにしか出てこないし、8文字ある名前を6文字でどう入力するかという試行錯誤も必要になるというのが絶妙)。
あまり話題にならないのが不思議だがグラフィックもSFCソフトとしてはかなり美麗だと思う。ゲームシステム上、グリッドという制約があるにも関わらず背景(特に野外系のマップ)やキャラクター(ちゃんと8方向でアニメする)、巻物などのエフェクトなど、かなり作り込んでいる。すぎやまこういちによるBGMも素晴らしい。和風サウンドはあまり他のゲームでは聞けない気がするし、同一のモチーフをここまで多様にアレンジしてしまうのもベテランの貫禄である。
不満点がないでもない。未だに根に持ってるのは「全滅の巻物」というアイテムの存在がノーヒントだったことだ。ゲーム内はもちろん攻略本にも一切の情報が載っていなかった。後発のプロフェッショナルガイドですら全くヒントはなかった(同じく白紙限定である「聖域の巻物」のほうは、『トルネコ』と絡めたヒントあり)。他の巻物では代用不可能な強力な効果であり、これがなければ死亡確定の「開幕特殊ハウス」も経験値と宝の山に変えてしまう。全滅の巻物の存在を知っているか否かはフェイの最終問題の突破難易度に著しく影響する。当時、これを知っていればクリアできただろうになぁ。
(なお、ファミ通記事のリンクを読んでいただければわかるが、実は「全滅の巻物」のヒントは発売前の特集に存在していたのだ。とはいえ同記事には製品版で没になった要素も多く、全滅の巻物についても当時どのような意図で写真を提供したのかは不明である)
久々に1からプレイしてみると、イベントなどが最小限で異様にテンポがいいことに気づいた。データを作ったら会話イベントすらなくダンジョンに直行できるのが素晴らしい。オープニングデモ(電源投入後に放置すれば見られる)自体は結構凝っているのだが、それを観ることを強制しないのが良い。ただ、こばみ谷をあっさりクリアしたのはよいのだが、クリア後ダンジョン解放のためのイベントが妙に面倒くさかった(特に、確定で出現しないナオキと、1回のプレイで1問しかクリアできないのに50問あるフェイの問題)ことに気づいた。当時はクリアするのに必死だったから気にならなかったのだが(特にフェイの問題は何周もしていた)。
ともあれ、全体的にはとても良くできたローグライクゲームである。クリア後のダンジョンは非常にクセが強く人を選ぶが、エンディング条件であるこばみ谷は様々なやり方でクリアできるカジュアルな難易度だし、これだけでも十分なボリュームを楽しめる(特にサブイベントもこなす場合)。レベルリセット式なので、一般的なRPGよりも遥かにテンポよく遊べる(RTAだとエンディングまで15分を切ることもザラにある)。そのため「今プレイするSFCのRPG」としては文句無しで一番のおすすめである。未プレイの方はぜひ何らかの形で遊んでいただきたい。インターフェイスも極めて洗練されており(SFCのボタンをフルに使うのだ)、今遊んでも全く煩わしさを感じないというのが素晴らしい。
なおDS版及びそれをベースにしたスマホ版は追加・変更要素のセンスが最悪なのでおすすめできない。純粋にプレイヤー不利の要素が増えて難易度が上がっている部分も多いので、初心者はSFC版から始めよう。
まあ冷静に考えてみるとわからないでもない。前作『トルネコの大冒険』はドラクエという巨大ブランドがあった。本作は『不思議のダンジョン』としての2作目ではあるが、この名前にブランド力がさほどあるわけではない。キャラクターに関しても、前述のデビューブックを出すなどPRはしていたようだが、そもそも主人公のシレンの「三度笠の渡世人」という出で立ちは、当時の小中学生には魅力的には映らなかったはずだ。もっと上の世代なら『木枯し紋次郎』とか『てなもんや三度笠』で馴染みがあるのだろうが。
2000年頃になっても、新品の在庫がダブついて1つ200円くらいで投げ売られていた記憶がある。メーカーの見込みよりも売れ行きが悪かったのだろう。現在では再評価され、中古でも1000円以上の値段を付けることが多いのが嬉しい。
ゲームとしても個人的に高く評価している。プレイヤーの取れる行動、特にアイテムの応用範囲が広がり、知識と経験によってゲームが上手になっていくというのを強く実感できる。最初のうちは装備を少しずつ強化しながらおっかなびっくりプレイしていたのが、今では初回クリアも高確率でできるようになった。特に久々にプレイして気づいたのは「白紙の巻物」の出現率の高さで、プレイヤーの知識が直接的に反映される仕組みになっているのだと思った。モンスターハウスの巻物を使えばラスボスを問答無用で消滅させられると知ったときは驚いた(この巻物自体がクリア後ダンジョンにしか出てこないし、8文字ある名前を6文字でどう入力するかという試行錯誤も必要になるというのが絶妙)。
あまり話題にならないのが不思議だがグラフィックもSFCソフトとしてはかなり美麗だと思う。ゲームシステム上、グリッドという制約があるにも関わらず背景(特に野外系のマップ)やキャラクター(ちゃんと8方向でアニメする)、巻物などのエフェクトなど、かなり作り込んでいる。すぎやまこういちによるBGMも素晴らしい。和風サウンドはあまり他のゲームでは聞けない気がするし、同一のモチーフをここまで多様にアレンジしてしまうのもベテランの貫禄である。
不満点がないでもない。未だに根に持ってるのは「全滅の巻物」というアイテムの存在がノーヒントだったことだ。ゲーム内はもちろん攻略本にも一切の情報が載っていなかった。後発のプロフェッショナルガイドですら全くヒントはなかった(同じく白紙限定である「聖域の巻物」のほうは、『トルネコ』と絡めたヒントあり)。他の巻物では代用不可能な強力な効果であり、これがなければ死亡確定の「開幕特殊ハウス」も経験値と宝の山に変えてしまう。全滅の巻物の存在を知っているか否かはフェイの最終問題の突破難易度に著しく影響する。当時、これを知っていればクリアできただろうになぁ。
(なお、ファミ通記事のリンクを読んでいただければわかるが、実は「全滅の巻物」のヒントは発売前の特集に存在していたのだ。とはいえ同記事には製品版で没になった要素も多く、全滅の巻物についても当時どのような意図で写真を提供したのかは不明である)
久々に1からプレイしてみると、イベントなどが最小限で異様にテンポがいいことに気づいた。データを作ったら会話イベントすらなくダンジョンに直行できるのが素晴らしい。オープニングデモ(電源投入後に放置すれば見られる)自体は結構凝っているのだが、それを観ることを強制しないのが良い。ただ、こばみ谷をあっさりクリアしたのはよいのだが、クリア後ダンジョン解放のためのイベントが妙に面倒くさかった(特に、確定で出現しないナオキと、1回のプレイで1問しかクリアできないのに50問あるフェイの問題)ことに気づいた。当時はクリアするのに必死だったから気にならなかったのだが(特にフェイの問題は何周もしていた)。
ともあれ、全体的にはとても良くできたローグライクゲームである。クリア後のダンジョンは非常にクセが強く人を選ぶが、エンディング条件であるこばみ谷は様々なやり方でクリアできるカジュアルな難易度だし、これだけでも十分なボリュームを楽しめる(特にサブイベントもこなす場合)。レベルリセット式なので、一般的なRPGよりも遥かにテンポよく遊べる(RTAだとエンディングまで15分を切ることもザラにある)。そのため「今プレイするSFCのRPG」としては文句無しで一番のおすすめである。未プレイの方はぜひ何らかの形で遊んでいただきたい。インターフェイスも極めて洗練されており(SFCのボタンをフルに使うのだ)、今遊んでも全く煩わしさを感じないというのが素晴らしい。
なおDS版及びそれをベースにしたスマホ版は追加・変更要素のセンスが最悪なのでおすすめできない。純粋にプレイヤー不利の要素が増えて難易度が上がっている部分も多いので、初心者はSFC版から始めよう。
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