SFC時代のシリーズを象徴する種牡馬についての解説。なるべくシリーズを知らない人でもわかるように書いてみる。
マチカネイワシミズ自体は実在の競走馬であり種牡馬である。現実でのエピソードに関してはここでは触れない。扱うのはダービースタリオンシリーズに登場する彼である。
具体的には2・3・96の、スーパーファミコンで出た3作に登場する(同時期に出たPC版にも登場)。種付け料が無料の種牡馬である。なおPS版(実質97)やSFCの98以降では降板し、無料種牡馬の枠をムーンライトパレスに譲っている。
2から登場しているが、注目されたのは3からである。理由としては、同作では前作ではろくに機能しなかったインブリード(近親交配のこと。特に「両親の血統に同じ馬がいる場合、その馬の個性が強く遺伝する」という理論に基づくもの)が非常に強力となり、また産駒から数えて5代目の血統までインブリードに反映されるようになったことが大きい。そのため、基本パラメータこそ無料に見合うだけの貧弱さだったのだが、スピードに優れた血統を存分に活用できるようになったのである。
マチカネイワシミズの血統のうち、特に重要なのは3代前のプリンスリーギフトと、その父であるナスルーラ。ナスルーラに関しては4代前にも存在する(つまり、自身がナスルーラ3*4のインブリードを持っている)。これらはいずれもインブリードによってスピードを大きく強化する効果があり、重ねがけによる累積によってスピードが激増する(俗に「爆発する」とも)。ただし近親交配には違いないので、やりすぎると体質や気性が悪化するというリスクがある。
加えて、マチカネイワシミズは「安定」のパラメータが最低の「C」である。これは産駒のパラメータのばらつきが大きくなるという意味だが、内部的な仕組みとしては「能力の爆発率が増えるが、最終的な能力値にマイナス補正がかかる」という仕組み。「爆発率」の判定に成功すると能力が加算され、さらに爆発率を参照して追加判定が行われる(以降、失敗するかカンストするまで続く)。安定Cに加えて多重インブリードがあれば爆発率が100%になり、確実にカンストするまで能力が上がる(その後、安定Cのペナルティでやや減少する)。安定が低いほうが能力が安定するという奇妙なねじれが発生する。
このマチカネイワシミズと、オオシマナギサという繁殖牝馬(初期状態で所持していることもあり、競り市でも低額で買える)の組み合わせでスピードが爆発するという件については、遅くとも攻略本「公式パーフェクトガイド」で触れられている。両者の父父・母父が共通するためにかなり濃いインブリードとなり、牧場長には「危険な配合」と言われてしまう。同攻略本でも「スピードだけはあるが気性は悪く、すぐに怪我をする」と、一発ネタのような扱いで紹介されている。
(なお、オオシマナギサの由来は映画監督の大島渚だろうが、なぜ開発者が牝馬の名前に付けたかは知る由もない。当時ダビスタで名前を知った子供は、後に大島渚監督が中年男性だということを知って驚いたのではないかと思う。かくいう僕も女性アイドル的なものを連想していた。ちなみにオオシマナギサの血統のモデルはイチコスターという馬のようだ)
(余談だが、日本でも認められているイトコ同士の結婚で子供ができた場合、お互いの祖父だけでなく(少なくとも片方の)祖母が共通しているのならば、上記の配合よりも濃いインブリードが発生していることになる。とはいえサラブレッドはその歴史により、遺伝子の多様性が元より淘汰されてきたという事情も考慮すべきだろう)
この配合によるインブリードで特に効果があるのがプリンスリーギフトとナスルーラである。特にナスルーラに関してはオオシマナギサ自身もインブリードを持つために、マチカネイワシミズと合わせて4重で発生することになる。ただしナスルーラのクロスは気性難も引き起こすので、ただでさえ危険配合のリスクである気性難と重なって非常に気性の荒い馬になる可能性が高い。
しかしスピードは抜群である。気性難だからといって必ずしも荒れるとは限らないので、うまくいけばレースを快勝できる。さらに隠しイベントの去勢手術によって気性を改善したり、牝馬であれば優れたスピードのみを次世代に受け継がせたりなど、工夫次第でいくらでも活用できる。そもそも片っ端から産駒を売り飛ばすだけでも確実に黒字になるので、初心者はリセマラ(という言葉は昔はなかったが)でオオシマナギサを出せ、とまで言われていた。
なお、ナスルーラの多重クロスはこの2頭の特権ではない。特に、無料ではないが格安種牡馬のグレートローマンは、ナスルーラの多重クロスと安定Cを両立した唯一のライバルである。牝馬のほうを見ると、初期牝馬にもなるタケノマジックやリボンシトロンを始め、中堅の牝馬でも少なくない数が持っている。組み合わせ次第では危険配合を回避することができ、2代目以降も考慮すると様々なアレンジが考えられる。
オオシマナギサの場合、マチカネイワシミズよりグレートローマンのほうが相性がいいというのが現在の定説。マチカネイワシミズのベストパートナーはタケノマジックである。それ以外にもマックスファクター(モデルはマックスビューティ)といった高嶺の花とも相性がよい。
注意していただきたいのは、これらの配合は決して「最強」ではないということだ。お手軽にスピードを高めることはできるが、スタミナや勝負根性はほとんど付かない。とはいえ、短距離G1は軽く制するほどの力はあるので、当時の普通のプレイヤーにとっては(そのコストパフォーマンスも含めて)非常に衝撃的だったはずだ。本格的な最強馬生産にこそ絡まないものの、マチカネイワシミズこそ本作を象徴する種牡馬だと言ってしまっても良いだろう。
(ダビスタ3では、これに限らずインブリードがペナルティに対して極めて強力になっており、最終的には父と娘を交配させるような外道配合が最強ということになってしまった。現実をモチーフにしたシミュレーションゲームとして問題視されたのか、次回作の96では危険配合のペナルティが強化され、さらにPS版以降は多様な血を集めることにメリット(いわゆる「ニトロ理論」)が設定されるようになり、本作のような極端なインブリードは攻略法としては聞かれなくなっていった)
この名前を聞いて心が騒ぐのは十中八九ダビスタシリーズ、それも「3」のプレイヤーだと思って間違いない。マチカネイワシミズという馬について、現実はもとより他のゲーム内においてすら、本作ほどの熱量で語られているのは聞いたことがない。インブリード至上主義のシステムから偶然産まれた、ダビスタの中だけの名種牡馬なのである。
具体的には2・3・96の、スーパーファミコンで出た3作に登場する(同時期に出たPC版にも登場)。種付け料が無料の種牡馬である。なおPS版(実質97)やSFCの98以降では降板し、無料種牡馬の枠をムーンライトパレスに譲っている。
2から登場しているが、注目されたのは3からである。理由としては、同作では前作ではろくに機能しなかったインブリード(近親交配のこと。特に「両親の血統に同じ馬がいる場合、その馬の個性が強く遺伝する」という理論に基づくもの)が非常に強力となり、また産駒から数えて5代目の血統までインブリードに反映されるようになったことが大きい。そのため、基本パラメータこそ無料に見合うだけの貧弱さだったのだが、スピードに優れた血統を存分に活用できるようになったのである。
マチカネイワシミズの血統のうち、特に重要なのは3代前のプリンスリーギフトと、その父であるナスルーラ。ナスルーラに関しては4代前にも存在する(つまり、自身がナスルーラ3*4のインブリードを持っている)。これらはいずれもインブリードによってスピードを大きく強化する効果があり、重ねがけによる累積によってスピードが激増する(俗に「爆発する」とも)。ただし近親交配には違いないので、やりすぎると体質や気性が悪化するというリスクがある。
加えて、マチカネイワシミズは「安定」のパラメータが最低の「C」である。これは産駒のパラメータのばらつきが大きくなるという意味だが、内部的な仕組みとしては「能力の爆発率が増えるが、最終的な能力値にマイナス補正がかかる」という仕組み。「爆発率」の判定に成功すると能力が加算され、さらに爆発率を参照して追加判定が行われる(以降、失敗するかカンストするまで続く)。安定Cに加えて多重インブリードがあれば爆発率が100%になり、確実にカンストするまで能力が上がる(その後、安定Cのペナルティでやや減少する)。安定が低いほうが能力が安定するという奇妙なねじれが発生する。
このマチカネイワシミズと、オオシマナギサという繁殖牝馬(初期状態で所持していることもあり、競り市でも低額で買える)の組み合わせでスピードが爆発するという件については、遅くとも攻略本「公式パーフェクトガイド」で触れられている。両者の父父・母父が共通するためにかなり濃いインブリードとなり、牧場長には「危険な配合」と言われてしまう。同攻略本でも「スピードだけはあるが気性は悪く、すぐに怪我をする」と、一発ネタのような扱いで紹介されている。
(なお、オオシマナギサの由来は映画監督の大島渚だろうが、なぜ開発者が牝馬の名前に付けたかは知る由もない。当時ダビスタで名前を知った子供は、後に大島渚監督が中年男性だということを知って驚いたのではないかと思う。かくいう僕も女性アイドル的なものを連想していた。ちなみにオオシマナギサの血統のモデルはイチコスターという馬のようだ)
(余談だが、日本でも認められているイトコ同士の結婚で子供ができた場合、お互いの祖父だけでなく(少なくとも片方の)祖母が共通しているのならば、上記の配合よりも濃いインブリードが発生していることになる。とはいえサラブレッドはその歴史により、遺伝子の多様性が元より淘汰されてきたという事情も考慮すべきだろう)
この配合によるインブリードで特に効果があるのがプリンスリーギフトとナスルーラである。特にナスルーラに関してはオオシマナギサ自身もインブリードを持つために、マチカネイワシミズと合わせて4重で発生することになる。ただしナスルーラのクロスは気性難も引き起こすので、ただでさえ危険配合のリスクである気性難と重なって非常に気性の荒い馬になる可能性が高い。
しかしスピードは抜群である。気性難だからといって必ずしも荒れるとは限らないので、うまくいけばレースを快勝できる。さらに隠しイベントの去勢手術によって気性を改善したり、牝馬であれば優れたスピードのみを次世代に受け継がせたりなど、工夫次第でいくらでも活用できる。そもそも片っ端から産駒を売り飛ばすだけでも確実に黒字になるので、初心者はリセマラ(という言葉は昔はなかったが)でオオシマナギサを出せ、とまで言われていた。
なお、ナスルーラの多重クロスはこの2頭の特権ではない。特に、無料ではないが格安種牡馬のグレートローマンは、ナスルーラの多重クロスと安定Cを両立した唯一のライバルである。牝馬のほうを見ると、初期牝馬にもなるタケノマジックやリボンシトロンを始め、中堅の牝馬でも少なくない数が持っている。組み合わせ次第では危険配合を回避することができ、2代目以降も考慮すると様々なアレンジが考えられる。
オオシマナギサの場合、マチカネイワシミズよりグレートローマンのほうが相性がいいというのが現在の定説。マチカネイワシミズのベストパートナーはタケノマジックである。それ以外にもマックスファクター(モデルはマックスビューティ)といった高嶺の花とも相性がよい。
注意していただきたいのは、これらの配合は決して「最強」ではないということだ。お手軽にスピードを高めることはできるが、スタミナや勝負根性はほとんど付かない。とはいえ、短距離G1は軽く制するほどの力はあるので、当時の普通のプレイヤーにとっては(そのコストパフォーマンスも含めて)非常に衝撃的だったはずだ。本格的な最強馬生産にこそ絡まないものの、マチカネイワシミズこそ本作を象徴する種牡馬だと言ってしまっても良いだろう。
(ダビスタ3では、これに限らずインブリードがペナルティに対して極めて強力になっており、最終的には父と娘を交配させるような外道配合が最強ということになってしまった。現実をモチーフにしたシミュレーションゲームとして問題視されたのか、次回作の96では危険配合のペナルティが強化され、さらにPS版以降は多様な血を集めることにメリット(いわゆる「ニトロ理論」)が設定されるようになり、本作のような極端なインブリードは攻略法としては聞かれなくなっていった)
この名前を聞いて心が騒ぐのは十中八九ダビスタシリーズ、それも「3」のプレイヤーだと思って間違いない。マチカネイワシミズという馬について、現実はもとより他のゲーム内においてすら、本作ほどの熱量で語られているのは聞いたことがない。インブリード至上主義のシステムから偶然産まれた、ダビスタの中だけの名種牡馬なのである。
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