そう遠くないうちに来るのではないかと予想しているシリーズの未来について。
通信交換という枷
ポケモンシリーズにおいて「通信交換」というのは象徴的なシステムである。一方で、このシステムは「枷」でもある。具体的には通信交換があるからこそセーブデータのバックアップが許されないということだ。もしバックアップからの巻き戻しを認めてしまうと、ポケモンを交換した後で、交換前に巻き戻すことで無限に増殖できてしまうのだ。
しかし、今どきセーブデータのバックアップができないというのは致命的ではないだろうか。まして、1つのゲームを年単位、シリーズをまたげば10年単位で遊ぶことができるゲームで、そのセーブデータの重みはプレイヤーの経験とともに増す一方である。そろそろ従来の「当たり前」を改めて見直すべき段階なのではないだろうか。
なお、完全オンラインにしてプレイ開始時にログインを必須にすれば、データをクラウド保存しつつもユーザー間でのバックアップ(巻き戻し)を防ぐことができる。実際、ポケモンGOなどはこの方法を用いている。しかしポケモンシリーズ本編は子供も遊ぶゲームである以上、オンラインを必須にするのは妥当ではないと考える。
交換以外の協力プレイ
ポケモン交換というのは広義の協力プレイの一つである。お互いが持っていないポケモンを提供したり、あるいは助っ人として高レベルのポケモンを送り込んだりするのが典型的な例である。通信交換を廃止してしまったら、このような協力プレイは行えなくなってしまう。
一方、シリーズにおける「協力プレイ」というのは、必ずしも通信交換だけにとどまらなかった。各プレイヤーが素材を持ち寄ってポロックやポフィンを作成したりするのもそうだし、最新作で言えばダイマックスのレイドバトルがそれに当たる。ダイマックスに関しては、設定上は「1体のポケモンと複数のプレイヤーで戦う」にも関わらず、「捕獲イベントは各プレイヤーごとに独立している」のが特徴。つまりポケモン1匹であってもプレイヤーごとに入手できる(最大でプレイヤー数の分まで増える)わけで、これは本来通信交換を前提としない設定のはずである。
レイドバトルに関しては、やっていることは『モンスターハンター』シリーズに近い。こちらは元よりプレイヤー間でアイテムや装備品の交換ができないシステムである。そのためプレイヤーが1人でも4人でも、モンスターを狩猟した時に1人あたり獲得できる素材の期待値は変わらないようになっているのだ。2004年のシリーズ発売当初は異質なシステム(従来のオンラインゲームはプレイヤー間でのアイテムのやり取りは当たり前)だったが、現在では多くのゲームで似たような要素が見られる。
僕にはレイドバトルの仕様そのものが、将来的な通信交換の廃止を視野に入れた実験的な措置のような気がしてならない。ともあれ、たとえ通信交換が廃止されたとしても、協力プレイのさじ加減次第によって「友達と一緒に遊ぶ」というシリーズ本来の魅力は決して失われないと思うのだ。
シリーズ間のデータ連動
通信交換が廃止されることは、シリーズ間の異なるソフトへポケモンを送ることができなくなることを必ずしも意味しない。具体的には、同一アカウントであれば別のソフトであっても自由にポケモンのやり取りができるようにするべきである。例えば自分の持っているバージョンに出現しないポケモンがいた場合、そのバージョンを持っている友達と何らかの形で協力プレイをして手に入れる(例えばダイマックスアドベンチャーのような)だけでなく、従来どおりに自分で両方のバージョンを買い揃えるというやり方でも入手可能にするというわけだ。
また、旧作との連動も維持できる。「バックアップ不可能だが通信交換可能な旧環境」から「バックアップ可能だが通信交換不可能な新環境」への一方通行の移動であれば、通信交換およびバックアップが相互に問題を及ぼすことは全くないのだ。
シリーズ間の連動というのはポケモンシリーズの肝だと考える。特に、一度は途切れてしまったはずのデータ連動を20年越しにバーチャルコンソール経由で復活させたのは象徴的な出来事で、今後も何らかの形で「旧作をプレイできる」「旧作で手に入れたポケモンを最新作に連れていける」という要素は多少無理してでも続けるのではないかと予想している。一方でますます増大するセーブデータの価値と、それをバックアップできないという矛盾に多くのプレイヤーが悩まされてきた。その問題に対する究極の処方箋こそが「通信交換の廃止」ではないかと僕は思うのである。
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