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「お茶漬け」と「やんき」の話
「冷や飯」の呼び方や使い道についての話。
我が家の祖父母の世代は、冷えたご飯のことを「お茶漬け」と呼ぶ。お茶やだし汁などに漬けたものではなく、冷や飯それ自体を「お茶漬け」と呼ぶのだ。例としては「炊飯器からお茶漬けとっておいて」「お茶漬けがあるから炒飯にするよ」のように使う。これが一般的な外房の方言なのか、家庭内方言なのかはよくわからない。

おそらく、本来は文字通りの「お茶漬け」を指したのだろう。それがいつしか「お茶漬けにするためのご飯(冷や飯)」を指すようになったと考えられる。奇妙なことに祖父母は本来の意味での「お茶漬け」を食べることはめったに無い(おじやにするのが好き)。葬儀の引き物などで「お茶漬けの素」をもらったりすることはあるのだが、食べるのはもっぱら僕である。

さて、九十九里方面には「やんき」という、(これはれっきとした方言として知られているのだが)言葉がある。地域差や家庭差があるものの、基本的には「焼きおにぎり」で、場合によっては焼いていなくても「おにぎり」を指すこともあるようだ。我が家では基本的に「味噌やんき(握り飯に味噌を塗り、大葉を乗せて直火やオーブンなどで焼いたもの)」の略として使う。冷凍食品などで市販されている醤油味の焼きおにぎりは「やんき」とは呼ばない。

面白いのが、家庭によっては冷や飯そのものを「やんき」と呼ぶ場合があるという話。「やんき」の語源は「焼き」だと思う(米軍=ヤンキーの三角帽に由来するという珍説を見たが、味噌やんきは三角形というよりは焼くのに適した平たい円形にすることが多いので信じがたい。戦後は片貝に米軍キャンプがあったのは事実だが、地元民が米軍をヤンキーと呼んでいたかどうか要検証)し、家によっては(焼いていなくても)「焼き飯」と呼ぶらしいので、本来はやんき=焼き飯なのだろう。いつの間にか焼いた飯ではなく、「焼いて食べるためにとっておいた冷や飯」の呼称になってしまった、我が家の「お茶漬け」と同じパターンである。さらに、家によっては普通の「おにぎり」のことを「焼き飯」と呼んだりする例もあるようで、「ラーメン屋で"焼き飯"を頼んだらおにぎりではなく炒飯が出てきて戸惑った」なんて話が見つかった。

炊飯器の保温性能が上がったり、電子レンジによる再加熱がしやすくなったことにより、冷や飯を手軽においしく食べる文化というのは次第に失われていく傾向があるような印象がある。わざわざお茶漬けややんきにしなくても「温かい白飯」がいつでも食べられるのである。僕が子供の頃である30年くらい前は、冷や飯を(お茶漬けややんきではなく)そのまま食べるために再加熱する場合は、せいろで蒸すという手間をかける必要があった(電子レンジはあったが、ご飯の再加熱用としてはあまり信用されていなかった)。

このように、冷や飯の食べ方や呼び方についてなにか面白い話があったら、ぜひコメントやツイッターなどで教えていただけるとありがたい。

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