ウィザードリィシリーズに登場する謎のモンスターの正体を追う。
モンスター概要
シナリオ2である「ダイヤモンドの騎士」が初出。最下層である地下6階に出現する最上位のアンデッドである。魔法使い系呪文Lv7、すなわち最強呪文であるティルトウェイトを使うことができる。物理攻撃力は高くない(4回攻撃で最大32ダメージで、同フロアでは低い方)ものの麻痺と毒を持つ。
以下で述べるように攻撃的な外見で描かれることが多いのだが、どちらかといえば魔法を得意とするモンスターである。本来は(アンデッドの上級スペルユーザーである)「リッチ」のようなモンスターなのではないかという意見があり、フランス語版(SORCELLERIE)における名称が「ROI ZOMBIE」、すなわち「ゾンビの王」であるという点もそれを裏付ける。
サイデルは個人名っぽく、性能から考えるとリッチのようなモンスターじゃないかという気がするがパーフェクトマニュアルはどうもアンデッドだと知らなかったっぽい
— 神殿岸 (@kandatashine) October 8, 2020
名称について
ウィザードリィ関連以外で「Sidelle」という用語を調べてみても人名しか出てこない。いずれも、特にモンスターになりそうな人物には見えない。仮に人名だとすると、(シナリオ3におけるポレやデルフのように)内輪ネタである可能性がある。
ウィザードリィ外伝の版権回避移植である『ネザードメイン』において、サイデルは「ドクロマンティス」と変名されているようだ(wikiより)。同じく人名に由来する「ライカーガス」がそのままであることを考えると、サイデルには何らかの権利が存在している模様である。
(ネザードメインにおいては、他にもマイルフィック→マリフェルベロー、フラック→ザ・ジェストなどの変名らしきものが確認できる)
ウィザードリィモンスター事典では「side(脇腹)」から「elle(腕)」が生えたモンスターとしているが、元は固有名詞だと思われるので独自解釈の可能性が高い。末弥純はその解釈でデザインを起こしたのか、あるいは末弥純のデザインから逆算した由来なのかは不明である。

(なお、詳しくは後述するが、このページの記述についてはいくつか問題がある)
外見について
末弥純のイラストによって「人間の上半身とムカデの下半身を持ち、両腕の代わりに4本の鎌が生えている」という非常に攻撃的なデザインになり、以降もこれを踏襲するのが普通になったが、原作では上位アンデッドに汎用的に用いられる髑髏シンボルで表現されていた。
「骨ムカデ」の由来は、日本向けの攻略本である「パーフェクトマニュアル」らしい。以下、ツイッターからの借り物。
1990年のFC版IIIよりも前に、国産PC版KODに合わせて出版された攻略本で骸骨ムカデのコンセプトで描かれたイラストが載ってますね。
— asamus (@asamus01) May 15, 2019
説明文が微妙に間違えているのが時代を感じさせます。
ウィザードリィ以前のゲームや創作、世界の神話や伝承に元ネタがあるかは分かりません。 pic.twitter.com/lUFGo9daE0
このイラストではムカデの体に直接髑髏が付いており、首元から4本の鎌が生えているという外見である。4本の鎌については4回攻撃からの連想かと思われるのだが、ムカデ状になっている理由は不明である(監修した竹内誠が、日本の妖怪のようなテイストを取り込んだという説があるようだ。同氏はモンスターマニュアルにおいて、マイルフィックを「日本では荒御魂として現れた」等と書いている)。また、最大の脅威であるはずの魔法について全く触れられていない。
毒ブレスを吐くかのような表現だが、おそらくこれは物理攻撃の毒効果を毒液と解釈したものだろう。しかし前述の「モンスター事典」においては毒ブレスを吐くかのように誤解されてしまっている。魔法に触れていないことと合わせると、ゲームデータを検証せずにパーフェクトマニュアルの記述を鵜呑みにしてしまった可能性が高い。
よく知られている末弥純のイラストは、これに人間の上半身を付けてより攻撃的にリファインしたものだと考えられる。ただし派手すぎる見た目が実際の能力とやや乖離している印象はある。いかにも大ダメージとともに首を刎ねてきそうだが、1ヒットあたり最大8ダメージ止まりで、追加効果も毒と麻痺のみである。
(なお、末弥純によるサイデルのデザインは人気が高いようで、これをモチーフにしたモンスターが他作品に登場することも多い。『エルミナージュ』の「サマエル」、『ソードアートオンライン』の「スカルリーパー」等。)
種族について
少なくとも原作においてサイデルはアンデッド(不死系)なのだが、なぜか悪魔系であるかのように扱われることが多い。上位アンデッドと悪魔に共通のシンボルが用いられていたシナリオ1はまだしも、シナリオ2ではアップル版の時点で悪魔と不死のシンボルは分けられており、素直にプレイすれば誤解することはないはずで、ジルワンを当ててみたり、高レベルの僧侶でディスペルを試みれば実証も容易なはずである。
まず、パーフェクトマニュアルでは一貫して「デーモン」と呼ばれている。「モンスター事典」においても悪魔系と並べて紹介されていた。いずれも根拠は不明。
ベニー松山による「ウィザードリィ3のすべて」でも悪魔系扱いである。同じく悪魔系に分類されているマイルフィックはディスペル可能であると触れられている一方でサイデルにはその記述すらない。ただしマイルフィック同様、サイデルについても本体は封じられた邪神だとされ、「我々の世界でも近い姿の古代神が伝承に残されているようである」との記述がある。マイルフィック(パズズ)のようなデザイン上の元ネタがあるのかは不明。
(なお、ベニー松山による作品群において、マイルフィックは封印された古代の魔神とされている。詳細は小説「不死王」にて語られている。迷宮に現れるのはその幻影に過ぎない幽霊のようなものというわけだ。そのため、データの上ではアンデッドであることは承知の上で、あくまでも設定上は悪魔として扱っている。これは良くも悪くもベニー松山がデータ設定やキャラデザインなどの、一見矛盾に見える事柄についても可能な限り整合性を取るための姿勢の表れ、すなわち末弥純がマイルフィックにパズズの姿を当てたことと、実際のゲームではアンデッド扱いであることの辻褄合わせの産物だと個人的には思っている。)
和製Wizでは外伝2までは不死系扱いだが、外伝3と4では悪魔系、ディンギル(実質外伝5)では再び不死系に分類されているようだ。
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