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【DQ4】勇者はいかにしてパーティの先頭に躍り出たか
ドラゴンクエスト4の第5章には、勇者の立場を確立させるイベントがある。
この記事を開いた人には今さら説明するまでもなさそうなのだが、一応解説すると『ドラゴンクエスト4(以下「DQ4」)』は、5章立てのシナリオとなっている。そのうち本編と言えるのは最後の第5章であり、それまでの4章は「導かれし者たち」が勇者に合流するまでの前日譚を描いたショートストーリーである。

第1章から第4章まで、プレイヤーは様々なキャラクターを演じる。第5章ではついに登場したプレイヤーの分身たる「勇者」が、前章に登場したキャラクターを探し求めるのが序盤の展開となる。プレイした順番とは逆に、第4章→第3章→第2章→第1章という順番で、その章の主要人物を仲間に加えていくストーリーとなっている。

そういうわけで、勇者が最初に出会う仲間は第4章の主人公であるモンバーバラの姉妹、マーニャとミネアである。この2名はキャラクタークラス(職業)としては魔法使いと僧侶にあたり、いわば後衛職である。第4章は、途中でNPCであるオーリン(肩書は錬金術師だが、ゲーム中の役割としては純然たる戦士として扱われる)が加わるまで、本来は後衛を務めるはずの2人のみで冒険しなければならないという異質なバランスで展開される。

とはいえ、そんな姉妹も第4章をクリアする頃までにはレベルが上がり、装備も充実する(というより、他に金の使いみちもないのでとりあえず装備だけは揃えるはずである)。普通にプレイしていれば、合流した時点の勇者よりも体力や守備力は遥かに上回っている。

ドラゴンクエストシリーズの特徴として、パーティメンバーの並びは敵の攻撃からの被弾率に影響する。当然、前に配置しているキャラほど攻撃を受ける頻度が高くなる。ゲームを効率的にプレイするなら、当然勇者は最後尾に配置することになる。いかにレベルや装備に差があるとは言え、勇者たるものが女の子2人に守ってもらうという、ちょっと情けない構図が誕生してしまう。

大抵のプレイヤーは、不自然さを感じつつも当面はこのいびつな隊列で進めることになるが、やがて転機となるイベントが訪れる。「裏切りの洞窟」というダンジョンの探索中に、「勇者」と「マーニャとミネア」が分断されてしまうのだ。そこからは、プレイヤーは勇者のみを操作してダンジョンを攻略しなければならない。ボスキャラである「裏切り小僧」とも、勇者単身で戦わなければならないのだ。

首尾よくボスを倒すと、ここで大量の経験値が勇者だけに入る。標準的な進め方なら、少なくとも1レベルは上がるだろう。さらに探索を続けると、ようやく姉妹と合流することができる。この時、再編成されたパーティでは自動的に勇者が先頭になるのである。ここでプレイヤーは気づくはずだ。「あ、もう勇者は先頭を任せられるほど強くなったんだな」と。おそらく、これ以降の冒険においてもパーティの先頭の地位は揺るがないだろう。

勇者が「守られる存在」から「守る存在」へと見事にシフトチェンジする。それをパラメータバランスの上でも、イベントの見せ方の上でも、実に自然な形で成し遂げたという意味で、個人的に同作の中でも非常に評価しているイベントである。ドラクエシリーズはもともと、言葉よりも数字で語る傾向が強いのだが、DQ4においてそれは職人芸の域に昇華したように思える(先に挙げた、姉妹とオーリンの関係などもそうである)。その筆頭こそがこのイベントだと思う。

DQ4という作品については、細かい部分で語りたいことが多いのだが、いまいちまとまった文章にならないので、今回はとりあえず最も重要だと感じた部分について文章化することにした。今後も続くかも知れない。

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