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なぜドラゴンクエストシリーズにおいてアイテムの買取額は75%から50%に下がったのか
DQ2以来続いた換金率がDQ7以降で下がったのはなぜだろうか。割と簡単な結末に向けてだらだら書いてるので暇な人向け。
ドラゴンクエストの1作目では、アイテムは定価の50%での買取だったが、DQ2からは75%になった。そもそもDQ1において、装備品を売るのは「新しい装備品を買った後に、今まで使っていた物を下取りする」という形だったので積極的に活用できなかった。自由にアイテム(装備品含む)を売買できるようになったのはDQ2からであり、それと同時に買取額が大幅に増えたというのはゲーム上の意味があってのものだと思われる。

例えば2000ゴールドで買える「鋼の盾」は、1500ゴールドで売れる。定価とは異なる価格で売買するイベントもあるが、基本はこの形である。以降、DQ6まで長らく「75%買取」は継続していたわけだが、DQ7で突如として50%買取となり、以降はDQ11まで続いている(オンラインゲームであるDQ10は事情が異なるので除外)。

DQ7のゲームバランスの渋さもあって、アイテムの換金率が下がったのはかなり印象が悪かった。というか今でも「DQ7を嫌いな理由」の一つには間違いなく挙げられる。以降、DQシリーズからも離れてしまって気にすることもなくなったのだが、ここにきて換金率が下がった理由についての納得の行く答えが思いついたのでブログの記事にすることにした。

まず、「買った値段の75%で売れる」というのはRPGでは珍しい(現実だと、例えば発売直後の人気ゲームがそのくらいで売れたりするが)。普通は50%(半額)が多い。きりがよくてわかりやすいからだろう。FFシリーズだってポケモンシリーズだってそうだ。なぜDQ2では敢えて引き上げたのか。それはDQシリーズのルールである「全滅した場合は所持金が半減した状態で再開する」というシステムが影響していると思われる。

ゲーム内において、ゴールド(現金)とアイテムは、ともにプレイヤーの資産である。ただしその安定性は異なる。全滅するとゴールドは半減してしまうが、アイテムは決して失われない。特に装備品に至っては、何度戦闘しても破損も消耗もしないし、紛失や盗難で失われることもない(冷静に考えると極めてプレイヤーに有利な「嘘」である)。装備品は基本的に高価であり、ゲーム全体における買い物を金額ベースで見ればその大半を占めることになる。

(なおポケモンシリーズでも第三世代まではDQと同様の全滅ペナルティがあったが、同シリーズにおいてお金の使い道はほぼ消耗品に限られることや、移動中はどこでもセーブできるために全滅のリスク自体が薄いこともあり、同列に考えることはできないのである。)

DQ1において、プレイヤーキャラは主人公のみ。武器や防具の性能も単純な上位互換ばかりである。よって、新しい装備品が買えるような状況ならば即座に買うべきだ(より強い物が買えるまでお金を貯める選択もあるが、リスク管理や効率的には先に強くなったほうが良い場合が多い)。しかしDQ2では仲間が増えたので誰の装備を優先するかの判断がある。さらに全滅した場合に復活するのは主人公のみ。他のメンバーは有料で蘇生させなければならない。装備品を即座に買うべきか否かの判断が難しくなった

そこで、「装備品を買う」という行為に付加価値を持たせるために換金効率を引き上げたのだと思われる。このおかげで、ゴールドを使って装備品を購入するということは、単にパラメータを上げるのみならず、「資産をより安定性の高い形に変換する」という意味も帯びることになった。2000ゴールドで買った鋼の盾は1500ゴールドでしか売れないので額面上は500ゴールドの損だが、2000ゴールドをそのまま所持していれば全滅時に1000ゴールドになってしまう。全滅するリスクを50%以上の確率で見積もるのならば、アイテム自体の利用価値を度外視してすら購入すべきだと言える。

例に挙げたDQ2の「鋼の盾」というのは象徴的なケースである。90ゴールドで守備力+4の「皮の盾」に対し、2000ゴールドで守備力+10の「鋼の盾」のコストパフォーマンスは劣悪である。守備力6ポイントというのは、ダメージ計算上の期待値では1.5ダメージ減少に過ぎない。よって額面のデータだけ見ると買う必要はないと判断しがちである。しかし、これを購入できるムーンペタから、次の目的地であるルプガナへはかなりの長旅となって全滅のリスクが高い。よって、資産を保護する意味も含めて、些細な強化値であろうが買っておくのがベターだと思われるのだ。

さらに、購入ではなく最初からアイテムとして手に入れたのであれば、基本的にゴールドが必要になるタイミングまで換金すべきではない。とはいえ、ファミコン版では装備品含めて1人8個までしか持つことができないのでそうも言っていられない場合もある。特に、宝箱やドロップアイテムが期待できるダンジョン探索のときにはなるべく身軽でいたいものだ。さらにDQ2では「パーティが持っているアイテムの数が多いほど復活の呪文(パスワード)が長くなる」という仕様がペナルティとして機能してしまっている。つまり書き取りをミスするリスクが高まるのだ(さらに隠された仕様だが、ファミコン版2には「パーティメンバーが持っているアイテムは(一部消耗品を除き)宝箱やドロップアイテムから出現しない」というものもある。特に入手頻度の高いドロップアイテムはその都度売ったほうがよい)。

DQ3になると預かり所が登場。1000ゴールド単位で預けることができ、預けているゴールドは全滅してもそのまま保持される。アイテムを預ける際は引取時に手数料がかかることもあり、基本的にはゴールドとして預けておくほうが好都合になった。DQ4でも預かり所は続投だが、5章になるまで使えないので再びアイテムとして所持すべき場面は増えている。特に商売がテーマである第3章においては、定価以上で売却できる機会も用意されるようになった。DQ5では預かり所のアイテム引取手数料が撤廃。損をしない上にUIも改善されて使いやすくなった。しかし使えるのは大人になってからで幼年時代には使えない。DQ3はやや例外だが、それ以外の作品ではDQ2と同じように「資産をゴールドで所持するか、アイテムで所持するか」という選択が存在していた。

転機はDQ6から登場した「ふくろ」システムである。預かり所が廃止され、全てのアイテムを99個ずつ持ち歩くことが可能になった。アイテムの形で持ち歩くデメリットが皆無になったのである。必要な装備品は即座に買ったほうがいいし、不要なアイテムはお金が必要になるまで売らずに保管しておけばいい。「資産をゴールドで所持するか、アイテムで所持するか」という選択はなくなった。可能な限りアイテムとして持ち歩いたほうが得なのである。

DQ6の時点では上記のことに気づかなかったか、あるいは気づいていても従来のプレイヤー向けに75%買取の仕様を据え置いたのかも知れない。しかし袋システムが定着したDQ7以降はもはや据え置く必要がなくなってしまった。「全滅しようが、アイテムに換えていようが、ゴールドは半分失われる」のである。アイテムで持ち歩くことのデメリットを無くしたのであればそうするのが道理なのである。つまり結論としては「袋システムが導入されたから、アイテムの買取額は(全滅によるゴールド損失と同じ)50%になった」ということである。

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