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【ポケモン金銀】フスベの竜神伝説とルギアの謎
ゲーム内の描写から想像を膨らませた深読みネタ。二次創作などの題材に使ってもいいよ。
ポケモン金銀において、ジョウト地方最後のジムがあるフスベシティ。ジムリーダーのイブキに勝利してもすぐにバッジを渡してはくれず、竜の穴に潜って竜の牙を取ってこいというお使いを言い渡される。「ドラゴン使いとして一人前と認められるための儀式」とのことだ。

竜の穴といえば、それまでは封鎖されていたダンジョンであり、プレイヤーとしても気になっていたポイントだろう。しかし、どんなイベントやポケモンが待っているのだろうかという期待は早々にして裏切られることになる。洞窟内部は平坦なマップが広がっているだけで誰一人としておらず、祠らしいものはあっても入ることすらできない。野生ポケモンも低レベルのコイキングとミニリュウくらいしかいない。結果として、プレイヤーは何の苦労もせずに竜の牙を取ってくることになる。こんなことで「実力を認めます」って言われてもなぁ。

マイナーチェンジであるクリスタル版や、それに準拠したリメイクであるHGSSではトレーナー戦やら長老の問いかけやらでそれなりのイベントに仕上がっているが、本作の時点では屈指の意味不明イベントであり、ジョウト地方最強であるにも関わらずイブキの株を下げる(悪あがきでバッジを出し渋っているようにしか見えない)残念なシナリオとなっている。

しかし最近、改めて金銀をプレイしていて気づいた。竜の穴は秘伝技である「渦潮」を使わなければ先に進めないことになっている。プレイヤーとしては既にマシンを入手しているので何の障害にもならないが、イブキはそれを知るはずもない。よって、イブキの視点においては「渦潮の秘伝マシンを手に入れる」ということも含めて一つの試練だったのではないだろうか。ひっそりと主人公を尾行していたイブキは、渦を見て引き返すと思いきやあっさりと鎮めて通過する姿に驚いたに違いない。

ゲームにおいて、渦潮の秘伝マシンはチョウジタウンのロケット団アジトで入手することになる。渡してくれるのは他ならぬワタルである。「渦潮の秘伝マシンを手に入れる」というのはすなわち「ワタルに認められる」ことを意味するのではないだろうか。セリフによると「アジト内に落ちていたが不要だから持っていきなよ」的なことを言うが、本意としては主人公を認めたからこそ渡したのかも知れない。ついでに「ワタルは奪われた秘伝マシン(あるいはその他のフスベの秘宝)を探す過程でチョウジにたどり着いた」というストーリーを妄想するのもアリだろう。

このように、フスベの竜使いと渦潮の結びつきを垣間見ることができる。ゲーム内で渦潮を使うエリアは3箇所しかなく、この竜の穴の他には27番道路と、渦巻島のある41番水道が該当する。27番道路は単にアイテムが落ちているだけなのでどうでもいいが、渦巻島のほうは重要である。なにせルギアが眠る島なのだ。フスベで祀られている竜神が何者であるかゲームでは一切語られないが、実はルギアこそがその正体だったのではないか

(なお、ゲーム内では渦潮をフィールド上で使用するには、チョウジジムのアイスバッジが必要となる。チョウジジムリーダーのヤナギもまたドラゴン使いと関連する立場だと考えることもできるが、ややこしくなるので今回は単純にゲーム内の都合として切り捨てることにする。そもそも「特定のバッジがなければ戦闘以外で秘伝技を使えない」ことを真面目に解釈するのは困難である。)

銀版のパッケージを飾るポケモンであるルギアは、対になる存在であるホウオウと比べるとゲーム内のイベントに乏しい。ホウオウの坐すスズの塔に入るためには寺院のような建物を経由することになり、中にいる坊主からは逸話を聞けたりするが、渦巻島のほうには通りすがりの観光客(海パン野郎、ビキニのお姉さん)以外は誰もいないのだ。もともと「ルギア自体は映画用に作られたポケモンだったのだが、開発の遅れによりゲームに実装できた」という裏事情があるようなのだが(ソースは首藤さんのコラム)、いくらなんでもホウオウとは扱いに差がありすぎる気がする。本来はルギアにも同等のイベントが想定されていたのだが諸事情でカットされ、その名残として竜の祠が中途半端な形で残ったのかも知れない。

(余談だが、GB版において「竜の牙」には何の効果もない。説明にあるドラゴン技強化については、実際は「竜の鱗」が持つ。「メタルコート」がそうであるように、1つのアイテムが進化と属性強化を兼ねているというのが本来の形だったのだろう。このあたりからも「竜の牙」というアイテム自体が後付である可能性を指摘できる)

さて、ゲーム内のホウオウに会うためには寺院を通る必要もあり、現実の鳳凰も仏教との結びつきが強い。一方でルギアはポケモン独自の謎のモンスターではあるものの、彼女の眠る渦巻島は名前といい場所といい記紀のオノゴロ島を彷彿とさせるし、上記で関連付けたフスベは現実だと諏訪に当たる。フスベジムの立地はまさに諏訪湖のほとりの諏訪神社である。仏教のホウオウに対して神道のルギアというイメージがあったのではないだろうか。

そう考えると、ルギアを見る目も変わってくる。当然、それをとりまく人物のイメージも変わる。フスベのドラゴン使いとは、すなわち諏訪の神職ということになる。プレイヤーの前では派手な戦闘服を着ているイブキだが、普段は巫女服で神事を執り行っていたりするのだろうか、なんてことを考えてしまうのである(イラスト化大歓迎)。

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