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【ポケモン】ルビー・サファイアの「互換切り」を振り返りつつ第八世代に期待する
剣盾に全てのポケモンを連れていけないことを「互換切り」と呼ぶ風潮は嫌いだが、それはそれとして当時の状況を振り返る。

関連記事:
ポケモン:GB版とGBA版の連動は可能だったのか?
ルビー・サファイアという時代

互換の可能性について


まず、意外かも知れないのだが「『金・銀』までのポケモンを『ルビー・サファイア』に連れて行くことが出来ない」と公式に明言されたことはなかったはずである。否定されていたのは「通信交換(より正確には「ルビー・サファイアと既存のソフトとの通信」)」であり、逆に言えばそれ以外の手段による連動の可能性は完全には否定されていなかったのである。

また、『金・銀』発表の時点で「前作からポケモンを連れて来れる」ということを強調していた。その理念は単に2作の間に留まるものではなく、シリーズが続く限り期待されるものだろう。そのため、当然のようにユーザーは様々な手段による通信の可能性を想像していた。

例えば、ポケモンスタジアムのようにゲームキューブ上のソフトを通じてやり取りする可能性2001年末の時点でゲームキューブ用のGBAケーブルが発売されていたので、これが64GBパックのような役割を果たすのではと期待されていたのである(実際に技術的なことを言えば、ケーブルのみではGBソフトにはアクセスできないと思われるのだが、ここで重要なのは「実際に出来るかどうか」よりも「出来ると期待させるかどうか」である)。

あるいは、カートリッジを任天堂に送ることで手動でデータを移行してもらえる可能性。これならハードウェアの仕様を気にする必要もない。実際に『どうぶつの森』でれっきとした前例(64版からGC版へのデータ移行サービス)がある。直接対応となると大変な手間になりそうなのだが、(時系列的には未来になるが)ポケモンにおいても「きのみ問題」への対処において、当初は郵送または持ち込みによる直接修理を受け付けていた。当時の任天堂ならやってくれるという期待は確かにあったのだ。

以上のように、既存のプレイヤーはショックを受けつつも「いずれなんとかなるだろう」という楽観的な見方が根強かったのである。

既存ポケモン「リストラ」の問題


互換の有無と関連付けて語られることが多かった問題。ルビー・サファイアで入手できない184種類の既存ポケモンの扱いについて、当初は完全に不透明だったのである。

発売と同じタイミングで、アニメも新シリーズ「アドバンスジェネレーション(AG)」に移行。番組自体のタイトルが変わったのは今回が初めてである。当然、グッズなども「AG」に登場する新ポケモン一色になり、AGひいてはルビー・サファイアに登場しないポケモンの存在は売り場からも追いやられていった。このことに危機感を覚えたファンは少なくなかったと思われる。

確かに、既存のポケモンがルビー・サファイアの内部データ上に存在することは早期の解析によって明らかになってはいた。基本パラメータ(種族値)こそ使いまわしだが、グラフィックや図鑑説明は描き下ろしだし、覚える技のデータも新規に設定されていることが確認された。しかし、だからといって新作で入手できる機会が訪れるかという保証はどこにもなかったのである。

ルビー・サファイアと近い時期のゲームにおいて、「丁寧に設定されたデータがまるごと没になった」前例として、やや込み入った例だがGBC版『ドラゴンクエスト3』を取り上げる。それには「モンスターメダル」という収集要素があり、通信交換も可能なのだが、内部データには次作である『ドラゴンクエスト4』のモンスターが存在することが確認された。そこには完全新規のモンスターも含め、使い回しではないメダルのデザインが収録されていたのである。当然、4もGBCでリメイクされることが期待されたが、全く音沙汰がない(そもそも公式には制作報告すらしていなかった)まま、2001年11月に4のリメイクはプレイステーションで発売された。そこにはGBC版の追加モンスターは影も形も存在していなかったのである(詳しい経緯や考察はDQ大辞典も参照)。ルビー・サファイアにおける既存ポケモンのデータも、これらのように没にならないという確信は持てなかったのだ。

こちらの懸念については、まず新作『ポケモンチャンネル』において金銀以前のポケモンが積極的に登場。ゲーム本編では「ルビー・サファイア バトルカードe+」においてカメックスやウインディなどのゲスト出演(ただし、あくまで戦えるだけであって「見つけたポケモン」にすらカウントされない。ついでに完全シークレット要素であり、カードeリーダー+の普及率も相まって知名度は低かったと思う)を経て、最終的にはデータ連動する『ポケモンコロシアム』の発表において完全に払拭されたと言える。

「互換の期待」の収束


コロシアム発表により「既存ポケモンは新作から連れてくる」という手段が明かされた時点で、旧作との連動への希望は薄れていった。決定的なのは『ファイアレッド・リーフグリーン』という初代リメイク作の発表である(確か当初は「ポケモン緑+赤」として発表されたような気がする)。コロシアムによって金銀のポケモンが解禁された今、残るポケモンは初代のリメイクによって完全に揃うことになり、「全てのポケモンを揃える」という目的を達成することに関しては、旧作との連動は必須ではなくなったのだ。

振り返ってみると、旧作との連動可能性を完全否定せずに仄めかしつつ(仮にメーカーとしてはその意図はなかったとしても、ユーザーの立場からは「過去の発言」や「同社ソフトの前例」を期待するのは当然である)、最終的にフェードアウトのような形で有耶無耶にしたのは非常にたちが悪かった気がしないでもないのだが、冒頭で紹介した関連記事にも書いたように、数々の状況証拠を見るとぎりぎりのところまで連動の可能性を模索していたように思えるので、リアルタイムで情報を追っていた(かつ、前作のヘビーユーザーでもあった)者としては自然に諦めがついたような気がする。

初代リメイクが発表された2003年末の時点で、金銀は発売から4年が経過している。バックアップ電池が切れていてもおかしくない(起動時間、すなわち本体からの通電時間が長いほど消耗を押さえられるので、ヘビーユーザーのカートリッジは大抵生きていたが)。残念だが時間切れといったところなのだろう(時計機能の無い初代ではまだまだ持つとか、ポケスタ金銀に入れておけばフラッシュメモリで安泰だとか、まだ未練の余地はあるにはあるが、それはそれ)。

第八世代への期待


翻って第八世代、つまり剣盾こと『ソード・シールド』、それと相互連動するクラウドポータルとしての『Pokemon HOME(ポケモンホーム)』である。「剣盾に連れていけるポケモンは限られているが、ホームには既存の全作(厳密には、オンラインサービスに対応している作品)から連れていける」ことが明言されている。

細かいことでは、GO産の幻系の扱いがどうなるか気になる(例えばミュウはGOからピカブイへは送れないのだが、ホームへはどうなるのか)。また3DSのオンラインサービス(具体的にはポケモンバンク)がいつまで続くのか、終了後の代替手段(可能性としてはムーバー及びバンクのオフライン化と、アドホック通信によるSwitchとの連動など)はあるのか等、懸念する材料はあるのだが、今のところはよくやってくれたと言いたい。

あくまでも剣盾に連れて行けないだけで、今後は彼らを連れて行ける派生作品などを比較的早いペースで出すのか、あるいはホーム自体に遊べる要素を盛り込んでいく方針だと考えられる(現行の発表では、少なくともスマホ等を経由しての通信交換が可能だとされている)。

正直なところ、剣盾を今のところ買う予定もない(そもそもSwitch本体も未所持)のだが、ひとまずの見通しは明るそうだと思うのである。とりあえず(スマホ単独、あるいはPC等からでも利用できるなら)ポケモンホームは入れておこうと思う。

余談


今回の騒動は、内容よりも発表のタイミングが最悪だったことも引き金になっていると思われる。まずポケモンダイレクトにおいて、「ダイマックス」という全てのポケモン共通のパワーアップ手段があると発表した後に、日を置いて「ガラル地方には全てのポケモンを連れていけるわけではない」と発表するのは、人によっては大いに期待を裏切られた形となったはずだ。悪い情報は先に出すものである。

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