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ポケモンカードに見るデジタルとアナログの狭間
今年に入ってからポケモンカードで遊ぶ機会があり、その時に思ったこと。


↑本文とはあまり関係ないが、コンセプトが気に入った商品(ファミリーポケカの広告)。
最低限の対戦が可能な2デッキだけでなく、3デッキ入りってのがよく考えられてるなと。
おかしょーさん主催の「アサギのとうだいオフ」において、久しぶり(十数年ぶりくらいかも)に紙のカードによる対戦をする機会を得た。それに触発されてポケモンカードGBのVC版を購入したりして、にわかにポケモンカード熱が湧いてきた。

実物のカードとビデオゲーム。ルール自体は同一でありながらも、実際のプレイ感覚は大きく違うものであることが、交互にプレイすることで改めて実感できた。例えば(これはGB版には収録されていないカードだが)「ウツギはかせ」というカードがあり、その効果の一つとして「次の相手の番が終わるまで、あなたはトレーナーカードを出して使うことができない」というものがある。この効果はうっかり忘れてしまうことが多いらしく、対策として「使用後はトラッシュに横向きに置いておくといいですよ」というアドバイスをいただいた。このような工夫はビデオゲームではありえない。なぜならルール的に不可能な行動は操作自体を不可能にするのが普通だからだ。

一方、ビデオゲームの強みもある。例えば「ポケモンカードGB」においては、山札のシャッフルや手札の並び替えが一瞬で可能。実際のカードゲームにおいてシャッフルがいかに煩わしく、また相手のカードを触ることに対していかに神経を使うことか(なお、MTGにおいてもシャッフルは煩わしい行為と認識されており、「シャッフルを用いる機会を意図的に少なくしたセット」も存在する)。
さらに、お互いの山札やトラッシュに何枚のカードがあるのかを常に確認することができる。実際のルールでも公開情報とはいえ、毎ターン確認するようなプレイヤーはまずいないだろう。また、相手の場にあるカードの効果を自由に確認することができる。現実のカードにおいては当然相手に断ってから見せてもらわなければならない。個人的にこれこそが初心者がカードゲームに参入しづらい最大の理由だと思っている。つまり慣れたプレイヤーは環境における主要カードの効果をだいたい暗記しているのに対して初心者はそうではないので、相手が新しいカードを出すたびにわざわざ確認させてもらう(ややこしいルール処理やらエラッタがあるならその都度教えてもらう)という煩わしさで大変居心地が悪くなるのである。例えばスマホアプリ(カード及びそのバーコード等を撮影すると、その効果が画面上に大きい文字で出てくる。エラッタ等も随時反映される)等で解決できないものだろうか。ビデオゲームなら相手に対してまったく遠慮せずに情報を調べることができる(どちらにせよ、あまり時間をかけるわけにもいかないとはいえ)。これは大きい。

ただしビデオゲームにも欠点はある。「ルール上は適正な上に、現実では当たり前のように行うであろう動作が、必ずしもUIとして実装されているとは限らない」という点である。具体的にポケモンカードGBの場合、例えばパソコン通信」などの効果で山札からカードを探す場合、その操作中に手札や場の状態を確認することはできない。本来なら使用する時点でどのカードを選ぶかは決めているはずなので別に問題ないように思われがちだが、そのカードがサイド落ちしていた場合は第2候補を選ぶ必要がある。そうなれば改めて手札や場を確認しておきたいところだが、GB版ではそれが不可能となっている。現実では目の前にあるはずの情報なのにおかしいじゃないか!短期記憶力が優れていた若いうちは気にならなかったが、この年になって再プレイした際に非常に気になったポイントである(余談だが、サワムラーの「のびるキック」の対象選択時などにセレクトを押すと手札や場を確認するメニューがちゃんと出てくる。山札サーチ時に出ないのはメモリの都合か実装忘れか)。

現実のカードではルール上可能なことは何でもできるが、ルールの運用においてはお互いのマナーやルール、あるいは工夫が必要。一方でビデオゲームの場合はルールは自動的に守られるし公開情報は常時確認できるように作られているが、細かい部分で融通が効かないことがある。元となるゲームが同じものであっても、そのプレイアビリティは大きく変わり、特に対人戦の場合はまったく別のゲームであるかのように感じられる。僕は今まで、ルール自体がデジタルに作られているにも関わらずTCGやボードゲーム類を「アナログゲーム」と呼ぶことに抵抗があったのだが、人間が実物のカードやコインに触ってプレイする限りはなるほど、単純なルールだけでは切り分けられない「アナログ」なゲームと呼ぶべきなのかも知れない。実際に比較して遊んでみることで初めて理解できた部分である。

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