FC2ブログ
本とゲームのレビューと雑文が中心。

「ツインテール」という用語についての思い出
髪型としての「ツインテール」という用例は、1999年にインターネットを本格的に始めるまで全く聞いたことがなかった。
1980年代から90年代前半にかけて、子供向けのコンテンツとして「ウルトラマン」は既に定番の作品だった。シリーズとしては本編の新作が一切作られなかった期間だが(厳密には、アニメシリーズの「ウルトラマンキッズ」というのがあったらしいが覚えていない)、既に子供向け商品にはウルトラマンが溢れていた。服や靴、傘やカバンといったキャラクターグッズはもちろんテレビゲームまで多数販売されており、幼年誌などでは定期的に怪獣が紹介されたり、病院などの待合室には「ウルトラかいじゅう大ずかん」みたいな本がよく置いてあったものだ。

このため、「本編を見たことは無いがウルトラマンは好き」という、特に男の子は少なくなかったと思うし、積極的に好きなわけではなくともキャラクターなどの知識が自然に頭に入っていた子供は多いだろう。いわゆるオタク気質というか「割とインドア派で本を読むことが多い」「好き嫌いにかかわらず一度覚えたことはなかなか忘れない」タイプの子供なら大抵は知っていたはずだ。かくいう僕もその一人であり、「ツインテール」という怪獣の存在については当然の知識として身につけていた。その特徴的な外見はもちろん「グドン(怪獣)の好物」「エビに似た味がする」という説明も笑えるものであり、記憶に残っていた人も多いと思う。

冒頭で書いたように、早くとも1999年以降に、初めて「ツインテール」という語が特定の髪型を指して使われていることを知った。「ポニーテールがツインだから(同名の怪獣にひっかけて)ツインテールか、なるほど上手いことを言うなあ」と感心したような気がする。現代でこそ完全に市民権を得ている気がするのだが、当時はあくまでも(男性)オタク界隈の用語、すなわちアニメやギャルゲーのキャラの髪型を表現する語彙だったはずである。オタクの基礎知識として「ツインテールという怪獣がいる」という前提を当然のように共有している集団のみが使用していた。少なくとも僕にはそう感じられていた。

いつの頃だったか「ツインテールって元は怪獣の名前だったんだ!」みたいな声をネット上で見かけた時は衝撃を受けた。ツインテール(怪獣)を知らずにツインテール(髪型)という用例に辿り着く人がいることが信じられなかったのだ。気がついたら怪獣のほうよりも髪型のほうが遥かに有名になっていて、今調べてみたらWikipediaでも「ツインテール」は髪型のほうの記事になり、怪獣は曖昧さ回避に追いやられている。こんな時代が来るとは思わなかった。

僕個人はウルトラマンシリーズにもウルトラ怪獣にも大して思い入れはないのだが、「元々知っていた用語が別の意味にとって代われられる」ことの不気味さを実感した事例としてブログに書き残しておく。

リンク:ツインテールの語源&由来 名付け親である映像作家の今井聡さんのブログ記事

コメントの投稿

 管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバック URL

Copyright © 【かけるのブログ】. all rights reserved.