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ウィザードリィ 「フラック(Flack)」に関する考察と覚え書き
ウィザードリィに登場する「フラック」という謎のモンスターについての考察。
基本的にシナリオ1(狂王の試練場)をベースにする。また、各種情報は得物屋24時間を参考にしている。

外見的特徴


オリジナルのAppleII版においては、スライム系のグラフィックが使い回されている。
一方で、不確定名は「Strange animal(奇妙な動物)」であり、他のスライム系(「そのまま「Slime」である)とは異なる
少なくとも、単なる強化版スライムという位置づけとは一線を画していると思われる。
Macintosh版以降は髑髏のシンボルになるが、これはデーモン系などにも汎用的に使われている強敵のシンボルのようだ。

ファミコン版では末弥純の手によって道化師のような姿となり、以降は異なるイラストレーターによっても同様のデザインが踏襲されている。
このイメージは末弥純の想像の産物かと言えば実はそうではなく、1986年発行の「ウィザードリィ・モンスターズマニュアル」において、既に派手な服を着た小男の姿で描写されている。

フラック
絵:ABE JAPON

イラストを見る限り、つり目に出っ歯という典型的な日本人の戯画のようでもある。
なお同年4月に出た「ウィザードリィ・ハンドブック」においても、ここまでアクは強くないが小鬼のような姿で描かれている。

モンスターとしての特徴


高いHPからのブレスを吐く。初期HPにムラがあるとはいえ、不意打ちを食らった場合においての最大の驚異。
(一応補足すると、本作におけるブレスのダメージは現在HPの半分が基準となる)
このブレスは冷気属性だが、ゲーム画面では確認できない。
その上、本作には冷気に耐性を持つアイテムが全耐性を備えるワードナの魔除けしかないため、冷気属性であることは実質的に機能していない
一方で、深層のモンスターとしては珍しく呪文に対する耐性は皆無であるため、攻撃呪文を駆使して速攻でHPを削ればブレスによる脅威は削ぐことができる。

種族は、スライム系や犬や兎などの一般動物、変わったところではレイバーロード(見た目は人間の戦士だが…)などと同じ。
攻略本やサイトでは「動物系」とされているが、この系統は特定の武器や防具で参照されない(例によって、万能であるワードナの魔除けに耐性が備わるのみ)。
つまり実質的には種族的な弱点を持たないという意味である。
もっとも、戦士・盗賊・小人・巨人あたりも参照されない種族フラグなので、この特徴は動物系に限ったことではないのだが。
(なおレイバーロードに関しても、「鎧を着た男」にも関わらずAC10で裸同然だったり、種族が見た目通りの戦士系ではないなど疑問の多いモンスターである)

物理攻撃の追加効果として首切り、石化、麻痺、毒を一度に仕掛けてくるのも大きな特徴。
特に首切りについては、刃物(忍者・盗賊)や前歯(ヴォーパルバニー)といった外見・モチーフ上の説得力が無いのに繰り出してくる
後に人型の姿で描き起こされることの背景の一つとしては、この能力に説得力を持たせるためという理由もあると思われるが(実際、ベニー松山が「ウィザードリィのすべて」において忍者の原型だとした)、刃物を持ったフラックというデザインは恐らく外伝1が初であり、それまでは棒使いだったり素手だったりする。
もっとも本シリーズの忍者は、武器がなんだろうが素手だろうが首を刎ねるというのはご存知の通り。
(そういえば四コマ劇場かなにかで、鎌を持った末弥フラックを見た覚えがあるが、湾曲した袖の部分を鎌の刃だと誤解したものだと思われる)

後続としてマーフィーズ・ゴーストを従える。
ご存知のように製作者の知人という内輪ネタのキャラであるマーフィーズ・ゴーストだが、彼を従えるモンスターはフラックのみ
このような結びつきから、フラックについても何らかの内輪ネタ(同じく知り合いがモデルとか)の可能性が指摘できる。
なおマーフィーズ・ゴースト自体は完全な雑魚であり、フラック自身が単体でしか出現しないこともあり、群れとしての脅威度は階層の割に低めである。

名称について


ある意味で最大の謎がその名前の由来である。
辞書で引いてみると、名詞として真っ先に出てくるのは「広報・宣伝係」といった意味であり、モンスターズマニュアルにおける怪しげな小男の姿や、末弥純による道化師の姿の発想元だと考えられる。
少なくともオリジナル版ではスライムの姿だったモンスターを、曲がりなりにもヒューマノイドとして描いたのはこの意味があってこそだろう。
前述のモンスターズマニュアルにおいて、TVレポーターだの黒メガネ(タモリ?)だのと書いてあるのも同様だろう。

flackを宣伝屋の意味で使うのは比較的新しい造語であるらしく、元をたどると第二次世界大戦におけるドイツの高射砲である「8.8cm FlaK」に関係がある模様(詳しくはよくわからなかったが)。
(パイロットから見た)高射砲のようにうざったい奴、みたいなニュアンスだろうか。

ウィザードリィの神話学」においては、「ひらめく・ゆらめく」のような意味を第一に挙げている。
ここでは宣伝屋や高射砲は無関係だとしているが、前述のようにビジュアルイメージ成立の経緯を考えると無視できないと思われる。

また、上記との関連はよくわからないが「flick a flack fleck」という慣用句に由来するという考察がある。以下ツイートをそのまま引用する。クリックすれば前後のツイートも参照可能。
(ちなみに、ウィザードリィにおいてFlackの複数形はFleckとなる)



モチーフ上は、スライム状の上級モンスターとしてD&Dの「Juiblex」の影響があるという話も。




以上、現状でわかったこと、気がついたことをまとめてみた。今後もなにか分かり次第追記修正する予定。

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他にも元ネタの情報は無いものかと資料を調べたり、海外の掲示板にも投稿してみましたが、有力な情報はなかなか無いですね。
asamus | URL | 2019/07/18/Thu 09:40 [編集]
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