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ミュウツーの「ネコにこばん」顛末記
ポケムーバーにて正式解禁された記念に。

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はじまり


ポケットモンスター赤・緑、及び青版では、ミュウツーに技マシン16で「ネコにこばん」を覚えさせることができる。初期の攻略本では記載が抜けていたが、実際は普通に覚えさせることが出来る。

悲惨な出自を持つ最強キャラが小遣い稼ぎの技を覚えるというギャップもさておき、タイプ一致のカビゴン・ペルシアンに次いで3番手の威力で使いこなせること、能力の高さや弱点の少なさから安心して連発できること、乏しいPPを補うための雑魚戦用の技として使えることなど、ネタだけでなく意外と実用的な側面も持つので、当時のコアプレイヤーにはカルト的に気に入られていたと思う。個人的にはネコに小判をもじって「ミュウツーに小判」なんて呼んでいた。

なお技マシン関連の初期攻略本のミスでは、他にモルフォン(ふきとばし→メガトンキック)という有名なものがあり、地味なところではビリリダマ・マルマインの「いかり」、カイロスの「かいりき」が覚えられないことになっている。確認した限りでは、1997年10月発売の「ポケットモンスター冒険セット」という攻略本で初めて正しい習得情報が記載された。ただしそれ以降に出版された本でもミスがないわけではない(攻略本に関する情報は別ページも参照)。

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ピカチュウ版にて


なんと技マシン16がミュウツーに使えなくなってしまった。なぜだ!映画版での姿とあまりにもギャップがあったためか、あるいは単純なデータ設定ミスか。
もっともミュウツーに小判を覚えさせるような物好きは回収用の他バージョンをたいてい所持していたので大した痛手ではなかったが、当時はアイテムの移動が出来なかったので地味に不便であった。

ピカ版では、複数のポケモンの覚える技に追加変更が入ったが、従来覚えられた技が習得不可能になった例は他にない。ピカチュウの「スピードスター」は自力で覚えなくなったがマシンには対応しているし、シャワーズの「しろいきり」は一見すると覚えなくなっているが育て屋では習得可能(これは設定ミスの可能性が濃厚。「くろいきり」と同レベルに設定されているのだが、初代のシステムでは一度の通常レベルアップや進化では複数の技を覚えられないのだ)。

なお攻略本では、ピカ版のみを扱う本では触れられていなかったが、ポケモンスタジアム2など初代を包括的に取り扱う本では「ピカチュウバージョンでは覚えられない」といった注釈が入るようになった。

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攻略サイトの登場


1999年ごろから、ネット上に本格的なポケモン総合攻略サイトが誕生した。
従来も掲示板などの情報集積(かの「ポケモンだいすきクラブ」がこのスタイル)やプレイ日記のようなものが見られたが、攻略本顔負けのデータベースが登場したのはこの頃だと思う。
それらの中にはポケモン別に使える技マシンが記載されているところも多かったが、ミュウツーの技マシン16については抜けているサイトが少なからず存在した。

そのようなサイトに対して直接指摘したこともあるが、管理人曰く「ピカ版で使えるマシンをチェックしてから、赤緑版でそのマシンを使えるか否かをチェックしていた、ピカ版での追加はあっても削除があるとは思わなかった」とのことである。「ミュウツーはネコに小判を覚える」という事前知識がなかった場合、大きな落とし穴となったのだろう。

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金銀発売


期待の続編「ポケットモンスター金銀」では、この小判ミュウツーが意外な実用性を見せる

  • 限界まで育ったミュウツーなら、ポケモンリーグに出現するポケモンのほとんどを「ネコにこばん」一撃で倒せる
  • 「ネコにこばん」で倒せないポケモンは全て「れいとうパンチ」か「かみなりパンチ」でも十分倒せる
  • 残る1枠で「テレポート」を覚えさせれば、エンディング後にセキエイ高原へ一発で戻れる

以上の点により、ポケモンリーグを高速周回しつつお金を稼ぐにはうってつけのポケモンとなった。

小判では倒せないのはヤドラン、フォレトス、イワーク、カイリキー、ゲンガー、ギャラドス、プテラ、カイリュー(3匹)のみ
このうちギャラドスとカイリキーについては、仮に2ターンかかっても厄介な状態異常などを受けることがないので使っても支障はない。つまり1周で合計20回使え、Lv100お守り小判持ちなら8000円の追加収入が得られる。
小判ユーザーとしてはカビゴンが最強(上記の例でいえば半減・無効以外は一撃で倒せる)だが、ミュウツーは自らテレポートを使える点、最初からLv70なので即戦力になる点で勝っている。

注:金銀の場合、バッジによる能力補正(ウィングバッジで攻撃UP)に加えて、属性強化(レギュラーバッジでノーマル技強化)が入ることに留意

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VC版発売


時は流れて2016年、3DS対応のバーチャルコンソール版「ポケットモンスター」が登場。移植なので覚える技についても当然そのままである。
公式攻略本は出なかったが、便乗して勝手本が出版された。三才ブックスの「らくらく攻略手帖」がそれだ。
しかしながら同書ではミュウツーの使える技マシンに「16」が未記載、コメントでのフォローもない。まさかの20年前に逆戻りである。こんなところまで当時を再現しなくても…
ミュウツーに小判の話はネット上では有名だと思っていたのに執筆スタッフは失念していたのだろうか。そもそもポケスタ2の攻略本を丸写しにしていれば間違えなかったのに。
(ちなみにピカ版シャワーズの「しろいきり」についてはちゃっかり書いてある。ただし普通に覚えることになっているので、信じてプレイした読者からは嘘つき呼ばわりされるかも)

まあ所詮は非公式本の話なのでこの話はどうでもいい。本当に糾弾すべきは「ネコにこばんを覚えたミュウツーが、ポケムーバーにて不正扱いされていた(ゆえにサン・ムーンに送れなかった)」という点である。
どういう経緯でこうなったのかはわからないが、前述の攻略サイト管理人のようにピカ版での習得可否をベースに判定したのだろうか。
2017年1月25日に行われたムーバーのVC対応以降、一部界隈で話題になっていたのだが、公式はこの件については何ら言及しなかった。
現在では冒頭の写真のように問題なく通るようになっているが、修正されたのは金銀発売を控えた9月6日アップデート、つまりVC対応から8か月近くも放置されていた。

「サン・ムーン」のゲームバランスや金稼ぎ手段の関係上、「ネコにこばん」はそれほど出番のある技ではないだろう。しかし正規の手段で覚えられる技が不正扱いされ、8か月も放置されていたことは問題視すべきだ。
過去にも正規ポケモンが送れない不具合というのがあったようだが、あちらは各種配布をはじめとする多彩なパターンからのチェック漏れという致し方ない面(それでも該当ポケモンに思い入れがある人には許せないだろうが)はある。
しかし初代VCではごく単純に「本来覚えられる技を覚えられないと見なしていた」という事例であり、さすがに擁護するのは難しい。今後は似たような問題が発生しないよう品質管理に努めていただきたい。

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