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1997年のポケモン総選挙
公式イベントでポケモン総選挙なるものが行われ、その結果が発表された(公式が消えてたのでファミ通サイトへリンク)。僕は現状のポケモンに詳しくないので直接的な言及は避けるのだが、手元の資料に1997年に行われた人気投票の結果を見つけた。
それがこちらである。



詳しい応募要項についてはこちら(クリックで拡大)。もとは懸賞企画である。「1人3票」というのが最大のポイントか。
1998_poke_a.jpg
「嫌いなポケモン」についてはアンケート結果は発表されていない。そもそもそんなこと聞くなよって話だが(記憶では、コロコロのミュウプレゼントの時も好き/嫌いを両方聞かれた覚えがある)。

結果は1999年1月に発行されたT2出版の「ポケットモンスター大事典」に掲載されたもの。本文にあるとおり人気投票は1997年12月に発行された同社の「ポケットモンスター用語辞典」上で行われたが、受付から発表まで1年以上のブランクが発生した。ご存知のように1997年12月16日の某事件により、ポケモンは冬の時代に突入していたのだ。

T2(ティーツー)出版は現存しない出版社だが攻略本好きの間では定評があり、初代ポケモンだけでも6冊も刊行している。奥付には「ティーツー出版ポケモン推進委員会」なる社内組織の存在も(冗談めいたものだろうが)確認できる。当時多数出版された攻略本の中でも、とりわけポケモン愛を感じる編集チームと言えるだろう。

この人気投票の結果から、当時のポケモンを振り返ってみようと思う。

1位:ピカチュウ

不動の人気。人気だからアニメ主役に抜擢されたのか、アニメ主役だから人気が出たのか、おそらくは相乗効果であろう。
そもそもこのアンケート自体が、ピカチュウぬいぐるみのプレゼント企画であることから大半の読者が票を入れたと思われる。
ゲーム内での扱いについても、「バージョン問わず低出現率のレアポケモン」としては最初に登場、ニビ博物館で出現場所のヒントとなる会話がある、さらに電気タイプとしては圧倒的に早期入手できる等、当初からそれなりに優遇されていた。
なお、アンケート実施時には既に波乗りピカチュウが限定配布されている。

2位:ミュウ

誰もがきれいなミュウを欲しがっていた時代。スペースワールドで10万人プレゼントが実施されてもなお幻のポケモンであった。
キャラクター展開としての扱いも恵まれており、グッズがやたら多くて幻のありがたみが薄かったと当時個人的には思っていた。

3位:ピッピ

今でこそ穴久保版のせいでネタにされまくっているが、当時は純粋にかわいいと評価する人が多かった印象。そもそもコロコロ読者以外に対して例の漫画はあまり知名度は無かったのだ。
アイドル枠の中では、バランスのいい能力や技のラインナップからかなり恵まれているポケモンという印象だった。

4位:ヒトカゲ

リザードンではなくヒトカゲがこの位置。当時、まだアニメ版ではサトシのヒトカゲは進化していなかったという事情を知っていないとやや首を傾げるかも。
ゲーム内で最初に選んで以来の愛着を持つ人や、アニメでの健気な姿に打たれた人の存在を考慮すると妥当な位置付けかも知れない。

5位:ミュウツー

純粋に「強さ」から票を入れた人が多そう。基本的に「かわいい」ポケモンが集中する傾向にあるこのアンケートにおいて大健闘。
なお、わかっていると思うが当時「ミュウツーの逆襲」は未公開である。

6位:プリン

アイドルトリオとしての貫禄を見せつける順位。まだスマブラも発売していないし、アニメでやたら出てくるのももう少し先である。
ゲーム内でも地味な扱いだし、ドット絵の目がなにか変(人によっては遠近感ではなく大きさの違いに見えるようだ)なのにもかかわらずこの人気は偉いと思う。
ちょうど3票なのでピカチュウ、ピッピとセット投票した人も多かったのではないかという気はする。

7位:ゼニガメ

発売当時は御三家でもとりわけ地味な存在だったが、タイプゆえの扱いやすさや技の豊富さ、青版の発売、アニメでの活躍などでじわじわ人気が出てきたポケモンという印象。

8位:ロコン

攻略本編集者などの間で準アイドル的な扱いがなされることも多かったほどの人気。アニメではタケシも使用。

9位:ライチュウ

こちらも3票のおかげ(ピカチュウとペア投票)で救われたのではないかという気がしないでもない。
ピカチュウから引き続き使用し、地球投げや地獄車のおかげで、地面タイプともそれなりに戦える力強さから男の子人気もあったと思う。ソースは僕の弟。

10位:イーブイ

進化後もそれぞれランクインしつつこの順位。あらゆる可能性を秘めたポケモンで、2016年の総選挙でも12位という抜群の安定感を見せる。
当時はタマゴシステムも無く、イーブイ系統を全て手元に揃えるのはちょっとした自慢の種でもあった。
ゲーム内での活躍はもちろん、王道でシンプルな小動物系のかわいさというのもポイントだろう。

以下、部分的に抜粋。

14位:カメックス
16位:リザードン
19位:フシギバナ


御三家が近いところに並んだのはいいが、カメックスがリザードンより上なのかー?!
青版をきっかけに魅力に気付いた層も多そうだろうが、それでもリザードンを抜くとはなぁ。
なお進化前との合計なら、ヒトカゲ+リザードンがゼニガメ+カメックスを上回ってはいる。

17位:ハクリュー

中間進化系としては唯一のランクイン。カイリューやミニリュウと、リザードンを挟んで並んでいるのも非常に美しい。
進化前後ともども、それぞれ評価されているという意味ではイーブイ系に並ぶ快挙とも言える。

20位:バタフリー

序盤から育てた愛着とアニメ効果の合わせ技といったところだろうか?進化前と票が分散しにくいという強みもある。

35位:ポリゴン

ポケモンショックに対する応援票として見るのはさすがに穿っているかな?

21位:サンダース
23位:シャワーズ
33位:ブースター


後述するように、対戦での人気とはあまり比例していないにも関わらずブースターがここまで離れるとは。
個人的な印象では女の子からの人気はダントツでブースターだったようにも思えるのだが。

11位:フリーザー
24位:サンダー
31位:ファイヤー


こちらの順位は納得の範囲。冷凍ビームの即戦力性と氷タイプの希少性からリアルタイムプレイヤーから絶賛された強さ。
ビジュアル的な美しさも見逃してはいけない評価ポイントだろう。
あとの2体は技の性能はともかく、入手時期や場所、ドット絵のデザイン(ファイヤー)でも若干評価を落としていると見られる。

番外編:なぜこいつがいない?

ピジョット。多くのトレーナーが序盤に捕まえたポッポから育てたはず。ゲーム内でも最終ライバルの先鋒としてその華々しい姿を見せるのに!進化前含めてノーマル飛行で票が分散してしまったのかも知れないなぁ。アニメではまだピジョンのままであったし。

スターミー。ゲームでもアニメでもカスミの相棒として強烈な存在感を放ち、味方としても非常に頼もしい存在。特に多属性の使い手としてはトップクラスの使い勝手を誇る。だが、可愛いとも格好いいとも違う独特の容姿は、どうしても人を選んでしまう面があるか。

ケンタロス。スターミー共々、既にその強さはブラウン管を通して知れ渡っていた。本書(用語辞典)の中でも「ポイントはケンタロス」の名言と共に、97カップ関東A2代表のあの子の相棒としての活躍に触れている。強さ抜きにしても捕まえるのに苦労したから愛着を持っていた人は多いと思うのだが。38位のガルーラとの差は、やはりその地味な外見だろうか。アニメではサファリのハズレ扱いという有様だった。

総評
40位までの票数合計は9415。1人3票ということを考慮しても、確実に3139人以上は投票していることになる(企画の性質上、ピカチュウの得票数である3336票が応募総数に近いと思われる)。サードパーティーの攻略本、それも文庫サイズの上に、マップやデータ集のない副読本的なポジションでありながら、ここまで葉書を集めることが出来たというのが当時のポケモン人気を物語る。まして発行直後には魔のポケモンショックが発生している。プレゼント企画自体がお流れになることすら危ぶまれたのだ。

しかしT2出版は裏切らず、用語集の発売から1年後に発行された新刊で結果発表を行った。編集その他の業務と平行しながら総票約1万票を集計するのはどれほどの手間だっただろうか。そもそも定期刊行の雑誌以外の出版物でこのような企画が成り立つ事自体が、当時のポケモンファンの底力を今に伝える貴重な資料と言えるだろう。

おまけ:初代ポケモン攻略本一覧(本サイトのコンテンツ)
1997年には、なんと18冊ものポケモン攻略本(実質再販である「遊びつくす本」を除く)が刊行されているのだ!

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ハクリューが高いのとガルーラが入ってるのはアニメで出たばかりだったからですかね。

ケンタロスですがポケモンブームから入った人だと「ケンタロスが強い」感覚は無いんじゃないかと思います。
当時のコロコロや学年誌で対戦考察は見かけませんでしたし、マリオスタジアムも自分含め最新ゲームや全ジャンルに興味のない層は見てなかったのではと思います。
ERROR | URL | 2016/06/11/Sat 21:58 [編集]
アニメ、ちょうど11月にサファリのあたりをやっていたみたいですね。

仮にも「攻略本」のアンケートなので、対戦や図鑑収集を意識していた人は多かったのでは…と思いましたが、
装幀からしてゲームに限った攻略本というよりはファンブックの扱いなので、ゲーム未プレイの人が手に取った可能性も高そう。

ちなみに裏表紙でも1/1ピカチュウのプレゼントに触れているので、そちら目当ての応募も多かったとするとピカチュウに票が集中したのも納得かも。
むしろ応募者のほとんどがピカチュウに1票入れていた可能性も高そう。
かける | URL | 2016/06/11/Sat 22:22 [編集]
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