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「ポケモン図鑑完成」という目標設定の意味 ~「収集」要素の再考~
なぜポケモンは「図鑑完成」という目標をストーリーの冒頭で示したのか。シリーズの常識がまだ無かった頃を踏まえて考察。
よく言われているように、初代ポケモンではオーキド博士から「ポケモン図鑑の完成」を命じられるが、実際のシナリオは図鑑ではなくポケモンリーグへの挑戦を軸に進み、あろうことか図鑑の状態に関わらずポケモンリーグを制覇した時点でエンディングが流れてしまう。ではなぜオーキドは「ポケモン図鑑の完成」を主人公に指示したのだろうか。

これは、ある程度はメタな要素が絡んでいると思われる。いわばプレイヤーに向けたメッセージなのだ。ずばり「ゲームの目的は全てのポケモンを捕まえること」→「目的とされているからには全てのポケモンを捕まえることができる」という二段論法を成立させるためだ。全てのポケモンを捕まえられるなんて当たり前じゃないかって?とんでもない、ポケモン以前のゲームではほとんど考えられなかったことだ。少なくとも自分は100種類以上も登場する敵モンスターを全て仲間にできるようなゲームを、ポケモン以前では知らない。

このようにゲームの目的として提示されているからには、全てのポケモンは何らかの形で手に入るということが間接的に示されているということである。ゲーム内では直接扱われないが、テレビCMなどでは「モンスターは全部で150種類」という情報が提示されている。この2つを合わせると「全150種類のモンスターを全て仲間にできるRPG」ということになるわけだ。当時のRPGの常識から考えると、なんと豪華なゲームだろうと感じるのが自然な発想である。

おまけに、これら150種のモンスターは単なる収集対象ではない。そのビジュアルからテキスト(図鑑の説明文)、技やパラメータなどの個性が非常に細かく設定されている。ゲームの中だけでもここまでの厚みが表現されたキャラクター(生物群)というのもゲームではやはり異例だ。ポケモン以前でも収集要素をゲーム内の目的として確立していたゲームは無いわけではない(参考記事:「ウィザードリィ外伝」と初代「ポケモン」)が、ここまで魅力的な収集対象を提示したゲームが過去にあっただろうか。

よくご存じのように、「ポケモン」というビジネスは発売以降、ゲームという枠を遥かに越えてキャラクターやメディアミックスとして爆発的な拡大を見せた。一方でゲームのほうも、通信対戦を始めとして非常にディープな遊ばれ方をされるようになった。いずれも、それを成立させた根本の部分は、キャラクターのみならずゲームシステムやメッセージも全て含めた「収集対象」としての作り込みが非常に大きなウェイトを占めているものだと確信している。

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