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テレビゲームにおけるミニゲーム論
テレビゲームにおいて、本筋から離れたミニゲームや、ゲームバランスを崩す要素については、「やりたくなければやらなければいい」で片づけて良い問題なのか?
きっかけとしては、週刊ファミ通(2015年8月13日号)に掲載された桜井政博氏のコラム「ゲームについて思うこと」である(いずれ単行本化されると思うので、そのときはリンクを貼る)。

要約としては、『ファイアーエムブレムif』のミニゲームに対する評価を取り上げて、「ミニゲームへの不評が目立ったが進行とは無関係な要素なら無視すればいい。ミニゲームは制作者のサービスであって、仮にそれを入れなかったとして他に何か入るわけでもない。(自身の手がけた)『スマブラ』にだって色んな要素が入ってるから好きなように遊べばいい。」といったものである。

最後のスマブラに関しては同意である。1プレイがせいぜい数分サイクルのゲームであり、その中で何をしようが(逆に何をしなかろうが)後々のプレイに悪い影響を与える心配は一切無い。せいぜい、隠し要素解禁の条件に絡むかどうか程度である。

だがファイアーエムブレムは違う。数十章からなる長編のシミュレーションRPGだ。もしミニゲームでキャラクターが強化されるなら、それは後のシナリオまで尾を引く。あるいは強力な武器が手に入るかも知れない。また、一見何も起こらないように見えても後のイベントフラグに絡む可能性だってあるだろう(なお僕は『if』は未プレイだがシリーズのプレイ経験はあり、経験者がノーヒントで遊ぶ限りは同じような捉え方をするはずだ)。そのようなゲームにおいて、ミニゲームといえども進行に影響がない、本筋に絡まない要素だと断言できるのは、あらかじめそのゲームを知っている制作側の人間だけである。

ゲームをノーヒントで遊ぶ場合、それはプレイヤーと制作者の勝負である。いかにして効率よく目的を達成するか。そのために利用できるものは利用する。もちろん本当に必要なものだけでなくダミーや罠も溢れているだろうが、それを見極めるのはプレイヤーとしての経験や勘であり、決して好き嫌いではない。たとえ好みに合わないミニゲームであろうが、それが進行に影響すると判断したのなら避けては通らないのが真のゲーマーである。

ゲームにサービスとして様々な要素を盛り込むのは結構だが、ゲーマーとしてのプレイングに影響を与えるのであればそれはサービスではなくトラップである。制作側はサービスのつもりでも、プレイヤー側がその意図に反した受け取り方をされかねない要素であれば入れないほうがいい。どうしても入れるならば、本編とは別のモードとして独立させるべきだろう(例えばタイトルメニューの時点で区別するとか)。

仮にも本編の構成要素に対して「嫌ならやらなければいい」という発言は、プレイヤーに対してあらかじめ必要なものと不必要なものを明示する行為、いわばネタバレであってクリエイターとしてはあまり誉められた態度ではない(ネタバレとは決してストーリーだけの問題ではない)。また、そのネタバレを受け入れてゲーム内の要素を好みで取捨選択するのもゲーマーとして誉められた態度ではない。クリエイターはもっと真面目にゲームを作れ。そのためにプレイヤーはもっと真面目に遊べ。



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通りすがりです(3度目ですが)
記事拝見させていただきました。
一見取るに足らなさそうなことを、じっくり論じてみるという姿勢に好感を持ちました。

ミニゲームがつまらないと、そのゲームへの全体的な評価が下がってしまいますし、
「容量を無駄にするのならもっとここをこうしてほしかったな…」みたいな力も働いてしまうように思います。
やはり、小さな問題ではないと思います。
ゲームを作る側はどんどん改善を重ねていってほしいですね。
そう考えるとスマホのゲームはアップデートで手軽に進化させられるのが利点だな、と改めて思います。

次の更新も楽しみにしています。
ボヨヨン | URL | 2015/08/08/Sat 16:46 [編集]
今のゲームで、ミニゲーム程度が容量に与える影響というのはまずないような気がしますね。
影響があるとしたら工数をミニゲームに割くことで本編の他の要素に時間をかけられなくなる事でしょうか。

あらゆる面でRPGのミニゲームで秀逸だと思ったのはDQ3の格闘場です。
あれは(恐らく)モンスター混乱中の行動ルーチンを流用しただけでありながら実に面白く、
またストーリーに関わる気配も無ければ、勝利のメリットも少額のゴールドのみ(普通に稼いだほうが早い)という。
かける | URL | 2015/08/09/Sun 01:24 [編集]
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