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書評:MHF-G(1) 紅き猟団、棘茶竜の谷へ
MHF初の公式ノベライズ作品。峡谷の村の土着ハンターの娘が、謎のハンターと出会うことで物語が始まる。

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モンスターハンターシリーズの小説は、今までエンターブレインのファミ通文庫からリリースされていたがFは富士見書房から。何らかの事情を感じるが、一ファンとしては素直に初ノベライズを祝おう。

舞台は峡谷の村であるトムテット。峡谷へ向かうハンター達の拠点であるが、普段は村人達による細々とした狩りが行われている。主要な獲物はアプケロス!パリアプリアやリオレウスはたまに狩るが撃退止まりの事が多いようだ。ゲームで描かれる世界の舞台裏である、辺境の地で生きるハンター達の物語である。サブタイトルの「紅き猟団」とはそんな村人による自衛猟団であり、その構成員は兼業ハンター、それも中年のおじさんおばさんが主役というのが渋い。

モンスターや装備品はFのものではあるが、村の雰囲気は本家シリーズのものに近い。ポッケ村やモガの村にギルドからハンターが派遣されなかったら?というようなIFストーリーとも言える。セリフ回しやキャラの性格付けこそ軽いのだが、内容はシビアなストーリーが展開される。村の真相が明かされるのは後半だが、序盤から程良く伏線が張ってあるのが面白い。

名前のついた登場人物がやたら多いように感じたが、読み終えた段階ではこれでよかったと思った。これはハンターである前に村人である人々の物語なのだ。主人公であるサリューをとりまく人間関係もベタだがニヤニヤする面白さ。村人達のキャラをしっかり立てた上で、存亡を賭けた総力戦になるというのがなんとも熱い展開である。

「村長の家が集会場になっている」「団員は赤いシンボルを身につける」などの古参ファンがにやりとする設定や、ドスの小説の1巻をオマージュしたかのようなラストシーンなど、Fに限らない幅広いファンサービスが楽しめたのもポイントが高い。

少し残念なのは装備品。表紙イラストの左側が村の少女であるサリューだが、村から出たこともないのにククボ装備(峡谷にはいないはずのイャンクックの特殊素材から生産)の上に、正体不明の双剣を装備しているのはどういうわけだ。一応この双剣はゲーム内アイテムとして付録になっているが、本編では来歴などは一切語られない、取って付けたような武器である。Fのオリジナル装備をアピールするよりは土着のハンターらしさを見せて欲しかったところ(例えばガブラスーツとボーン系の混合とか)。

小説としての問題点は、地の文の視点に不安定なところがあるのと、一部のルビに誤りが見られることだが些細な問題だろう。個人的には「こういうモンハン小説が読みたかった!」というのが正直な感想。半ばイベントコード目当てで買ったのだが話の内容にも満足したので、今後の展開にも期待している。

MHFのプレイヤーもそうでない人も、シリーズの世界観に惚れた人なら読む価値は絶対にあり。F未経験なら予備知識としてパリアプリアの生態でも把握しておけば十分だろう。

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ちなみに付録のイベントコードで手に入る双剣は、数値的には第一線級では無いものの、氷属性でリーチ長のHC武器という独自性を持った武器。今後の韋駄天などでの活躍が期待できる、かも知れない。

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