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書評:萌えわかりファンタジービジュアルガイド
あらゆる面で中途半端なファンタジーガイド。

この手のタイトルに良くある「項目ごとに萌えキャラを載せて説明文を付ける」という方式ではなく、ファンタジー作品一般を萌えキャラ(と言っていいのかなぁ)による対談形式で解説するというもの。ファンタジー世界に迷い込んだ主人公が、冒険者パーティと世界を巡りながら知識を得るという形。

大半は白黒ページだが、イラストレーターが割と統一されてるのは評価ポイントか?個人的には女性キャラばかりというのはあまりいただけない。絵も文章も、男性向けエロスを追求する方向ではないので。

読んでいてイライラするのは言葉足らずなこと。ただでさえファンタジーというジャンルは、類似の事柄や概念が作品ごとに様々な言葉で説明されているというのに。例えば、冒頭では(この本の中でメインで扱われる、指輪物語リスペクトな世界だけでなく)様々なジャンルのファンタジーを紹介している。現実世界か別世界かに大別しているにも関わらず、「ロウファンタジー」「ハイファンタジー」の用語すら使わない。

個別の用語説明も問題大ありだ。例えば回復魔法を得意とする職業を「神官」という単語のみで説明するのはいくらなんでも乱暴だろう。その上、代表的な武器としてフレイル類を挙げているがその理由を説明していない。また、さんざんトールキン作品に言及しておきながら、ドワーフやエルフと並んで何の説明もなく「ハーフリング」という種族を紹介しているのはふざけているとしか思えない。

紹介される世界自体は、比較的地味というか落ち着いているというか、正統派の中世ヨーロッパ風ファンタジーであるだけに余計に勿体ない。CRPGしか知らない人にとっては、ゲームでは描かれない部分の想像を膨らませるきっかけになるのに。制作者の愛は感じるのだが知識の偏りが激しい。入門者向けに絞ったとかそういう次元ではなく。

コラムの隅でトラディショナルなアイテムに紛れて「ビキニアーマー」だの「ネコミミ」だのの由来や性能の一例を紹介しているのはちょっと面白い。というかこのタイトルで出すなら、こういうアレなアイテムに関する雑学をメインで詰め込めばいいのに。意外とまとめて読める資料というのは少ないと思うぞ。

総じてファンタジー入門書としては問題外。そこそこ知っている人が突っ込み所を探して楽しむのが正しい読み方。終盤にある神話ガイドや往年のファンタジー紹介のコラムとかは面白いのに本編が残念。

付録として掲載されている「モエビオンRPG」なるミニTPPG。キャラクター自体に人物や物品などのあらゆる物事に対する萌え要素が存在し、様々なイベントで影響があるルールのようだ。結構本格的にルールなどが設定されているので遊んでみると面白いのかも知れない。

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数年ぶりにかけるのページ読みに来たらブログで更新続いててビックリ。
書評読んでかけるさんは相変わらずかけるさんだなあ、と思いました。
これからも時々寄らせてもらいます。
ナナシの実 | URL | 2012/05/14/Mon 10:51 [編集]
どなたかは存じませんが再訪ありがとうございます。
サイトは開店休業ですが、twitterではっちゃけてたりします。
かける | URL | 2012/05/15/Tue 01:04 [編集]
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