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書評:シムシティー都市計画委員会ハンドブック
各種パソコン版からスーパーファミコンまでが対象。単なる攻略本に留まらず、現実的な都市計画にも触れる。

副題に「全タイトル共通」。シムシティーの1作目は様々な機種に移植されていたが、その全てを網羅しているようだ。攻略以前の、起動の方法やデータの管理といった部分まで解説しているあたり、当時のパソコンソフトのマニュアルのわかりにくさが伝わってくる。

様々なバージョンが存在しても、基本的には移植版であり、大きな違いは無い模様。コモドール版では水路の建設が出来たとか、IBM版では教会(SFC版の学校に相当)を壊すと竜巻が起こりやすくなるとか、いくつかのバージョンに存在する裏コマンドで債権を発行して資金が増やせるが天罰で地震が起きる、など、機種別の小ネタにはしっかり触れている。ただしSFC版のオリジナル要素は全く扱われていなかったのは発売時期の問題かな?

住民の道路要求は無視していいとか、港は水辺に建設する必要は無いなど、今や常識となったゲーム的な攻略法はこのころから知られていたのか。住宅地に小さい家が出来始めた頃、一角を整地して公園にすることでその後の発展を抑える(人口過密を防ぐ)という、そこそこディープな割に実用性に疑問符が付くテクニックなども紹介されている。

一方で、ゲームとして足りない部分を自覚した上で、現実的な町づくりツールとしての可能性にも触れている。例えば放射状のロンディニウムと格子状のウェストミンスターが共に発展してきたロンドンや、港を中心に発達してきた開拓時代のアメリカの都市をゲーム上で再現。すると現実と同じような問題が浮き上がったりするわけだ。

また、ゲームの内部データの深いところでも、現実の都市理論が応用されていると言うことを知った。商業地帯は地域内需要、工業地帯は地域外需用を満たす効果があり、地域内外の需要の比率は発展に従って変化するという話。あるいは道路を増やすほどそれに比例して交通量も増えるので、ボトルネックを解決しない限りは渋滞は決して解消しないという話。シンプルなゲームかと思いきや、意外に複雑な構造なんだと思った。

純粋な攻略本としては、今日のネット情報どころかSFC版の攻略本にも劣るけれど、シムシティーの「ゲーム」としてより「シミュレータ」としての側面が見えてくる本。地形を自由に作成できる『テレインエディター』の使い方や、『ログイン』誌の付録ディスクに収録されたウィル・ライトの手による追加マップの紹介などもあって、貴重な資料としてファンは押さえておきたい。

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