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書評:オタク女子研究 腐女子思想大系
今まであまり表に出てこなかった女性オタクの生態とは。

男性オタクよりも絶対数が多いが、外見や言動に現れにくいから目立たなかった女性オタクという存在。そんな女性オタクの中でも一大勢力の「腐女子」と呼ばれる人たちのことがわかるかも知れない本。

本の内容としては、腐女子の好むやおい・ボーイズラブといったジャンルの解説と、その腐女子を含む女性オタクに見られる典型的な特徴の分析、及びそれに対する男性オタクや非オタク女性との比較がメイン。軽くユーモラスな文体なので気楽に読める。

ボーイズラブの説明では、アニメや漫画といったポピュラーなジャンルはもちろん、ちょっと危険な実在人物(アイドルはもちろん、政治家まで!?)や、無機物の擬人化という妄想全開の要素までざっくり解説。「2ch最強の盾」と評される801板(*)で見られた実例を紹介したりしているので、この手のジャンルに縁が無い人はびっくりするかも。攻めと受けの二元論をキリスト教哲学と結びつけるあたりの無駄な壮大さには笑わせてもらった。

一方、当の腐女子の分析に関しては、一定の特徴を持っている人を中心にしている。それは「仕事してるし恋愛や結婚もしているけど隠れオタクです」みたいなタイプである。あたかも腐女子とはこういう人ばかりというようにも読めてしまい、そうではない当事者としては突っ込みたい部分も多いと思うが、一種のステレオタイプとして読むのがいいと思う。

基本的に仕事さえちゃんとしてれば世間から文句を言われない(これもちょっと大雑把な捉え方だが)男性に対し、身だしなみや人間関係のウェイトが高く恋愛市場からも抜けにくい女性。これにより、同じオタクでも趣味に費やせるリソースに差が出るのは、まだまだ日本はジェンダーの差が大きい社会なんだと感じた。オタクといえども大量の同人誌を抱えてコミケ強行軍をする男性の体力は羨望の眼差しすら向けている。

同じ女性との比較では、キャリア系と比べても恋愛主義者と比べても、「努力をしない」というのがキーワードらしい。自らの価値をわきまえて足るを知る。男性への要求が少ないから、モテないように見えて意外と上手に結婚している人が多いらしい。この部分を読んだ男性で「俺も腐女子を嫁にしたい!」と思った人、多いんじゃないかな。特にオタク同士の親和性は多分高い(ただしお互いの趣味に干渉しない範囲で)。

普通の人が腐女子がいかなる存在であるかを知る。腐女子が自らを客観視する。あるいは男性が「腐女子萌え」する。いろいろな読み方ができる本だった。

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