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書評:ゴリラ探検記
1959年のマウンテンゴリラ調査記録。

この時代、マウンテンゴリラは幻の動物だった。詳しい生態はほとんど知られていなかったし、もちろん動物園でも見られない。それを求めてアフリカの密林に踏み込んだ6ヶ月の記録。

著者の河合氏は日本モンキーセンター所属で、専門はニホンザルとのこと。野生のシルバーバック(成熟したオス)の写真撮影や、肉声の録音に成功したのは今回の探検が世界初とのこと。巨大なデンスケ録音機を背負っての密林踏破とは今では想像もできない世界だ。

時代が時代だけに、ゴリラというかアフリカそのものにも偏見がありそうなものだが、さすがにアカデミックな調査だけあってそこはしっかりしている。現地人を「土人」と呼ぶのには今だと不適切な気がするけど、差別意識などは全く感じられない。

学術的な部分はもちろん、読み物としても面白い。同行の水原洋城、現地人トラッカーのルーベンといった個性的な人物が登場し、ゴリラと対峙した場面は臨場満点。「肺腑をえぐる咆哮」とはいかなるものだったんだろう。動物好きはもちろん、探検ものが好きな人なら最後まで楽しく読めると思う。

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