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書評:食品の裏側--みんな大好きな食品添加物
食品添加物は敵か味方か。

筆者は、認可済みの添加物を規定量だけ使用すること自体を危険と言ってはいない。しかしいかにもヤバそうな物質だと錯覚させるトリックが随所に仕掛けられている。

元食品会社勤務の筆者だが、自分が手がけた添加物入りのミートボールが家庭の食卓に出たショックでやめたという。しかし、その理由は添加物の具体的な危険性などではなく、単なる悪印象が原因なのだ。

冒頭において発色剤の効果を恐ろしげに書いているが、よく考えてみれば色が変わること自体は食品においてはありふれた光景である。例えばエビやカニは茹でれば鮮やかな赤になるし、紅茶にレモン汁を入れるだけでも色は変わる。それがマロウブルーティーだったら青から赤への劇的な色の変化になる。無論、色を変化させる全ての要因が安全とは限らないが、色の変化だけで危険意識を煽るのは悪質な印象操作だ。

そもそも食の安全の問題を「添加物」という一点に絞るのが大間違い。加工食品にしろ素材そのものにしろ、あらゆる「食品」は、量や組み合わせ次第でいくらでも有害になりうるのに、添加物であるか否かを第一の問題にするのはかなり危険。結局のところ、食品添加物に対して漠然とした危険意識を持っている人を、ゆがんだ論理で煽るだけ煽っているだけ。

しかし筆者の意図がどうあれ、ブログ主はこの本を読んで、改めて添加物の素晴らしさを知ることが出来た。骨にこびりついた「クズ肉」、油を絞った「大豆のカス」といった、本来は立派な「食品」でありながらも、現代ではそのまま流通には乗せづらい原料を、食卓のスターに生まれ変わらせるのである。

人類の歴史とはすなわち衣食住の歴史であり、その「食」を安定させるために人々はどれほどの知恵と汗を注ぎ込んできたか。日本の食品加工技術はその最先端である。根拠の無い偽善的な罪悪感にとらわれず、今日も真面目に働いている名もなき「添加物職人」達が世界を救うのかも知れない。

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