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書評:火星人先史
川又千秋のSF小説。テラフォーミングもの。


テラフォーミングされた火星に役用兼食用として連れてこられたカンガルーが人類に牙を剥く。再起不能になった主人公がカンガルーの肉体を手に入れてスパイになるが……

戦闘を始めとして描写がハードボイルド。今気付いたけど全編通して女性が誰一人出てこないんだな。星と生命の関係とか、それ以前にカンガルーというモチーフ自体に母性の象徴を表現したから、敢えて生身の女性を登場させなかったんだろうか、とか適当な分析。作品自体は読みやすいエンターテイメントだから普通におすすめしてみる。

2009年に公開された映画「アバター」にプロットがよく似てる。比べてみると2倍楽しい。地球人と異星人の戦いで、異星人の姿になった地球人が主人公で、異星人側の活躍でカタルシスを得られる展開はそっくりだ。なおかつあちらよりも補給線の問題とかがしっかり考証してあって、戦争物としては良くできてる。さすが架空戦記物を何冊も書いているだけある。

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