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書評:テレビゲーム文化論
既にテレビゲームが、一過性のブームなどではなくメディアや文化になろうとしている!2001年の著。

テレビゲームを文化として振り返ることから始まる。研究室のコンピュータでゲームを作るという本当の黎明期の話から始まるのは、日本人としてはなかなか実感のない貴重なところかも知れない。戦争中に弾道計算のために作られたコンピュータで戦争ごっこをするという皮肉。ある意味でテレビゲームは平和の象徴なのかも。

テレビゲームに対する世間の悪いイメージに苦言を呈する文脈で、「かつてエレキギターに反社会的というレッテルを貼ったから、アコースティックなフォークなんかが流行って、世界の音楽シーンから10年以上取り残された」とかほざいてるのには色んな意味で突っ込みたい。しかしゲーム好きな人(特に、ライターなど声の大きい人)って規制とか世間の目とかを過剰に気にするよね。反発されるからこそ良いんだ!というサブカルチャーというかカウンターカルチャー的な気概をもっと出せないものか。そもそも音楽も含めた娯楽の世界にグローバリズムを求めるのが根本的に間違ってる。

それはさておき、テレビゲームが従来の遊びと決定的に違うのは、遊びであると同時に遊び場でも遊び相手でもあるという点だとしている点には素直に「なるほど」と。遊び相手としてのゲームは、まさにロボットそのものだという発想は興味深い。

重要なキーワードは「アフォーダンス」。プレイヤーの行動や視線をスムーズに導くのが、日本のゲームは特に得意だという。スーパーマリオブラザーズやドラゴンクエストの細かい工夫を例に出しており、プレイ経験者であれば誰もが納得すると思われる。桂離宮のデザインと関連づけるのは飛躍っぽい気もするが、これも日本人の得意分野なのかも知れない。

最後に、ロボット犬のAIBOを例に出し、このような物理的なインターフェイスとテレビゲームが結びついて新しい娯楽が生まれる未来を予想している。家庭用の愛玩ロボットは現状では停滞気味だけど、インターフェイスという意味ではDSやWiiを皮切りにどんどん進化している最中だろう。ある程度先見の明はあったのではないだろうか。

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