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書評:シドモア日本紀行
アメリカ人女性による、明治時代の日本の旅行・滞在記。

欧米の富裕層にとって日本が旅行先の一つとして流行し始め、外国人向けの宿泊施設も各地に建てられた時代の旅行記。移動は主に人力車。

「東洋的」なる曖昧な形容を、良い意味でも悪い意味でもかなり都合良く使っているのが最初は気になった。しかし基本的には日本賛歌の書。同時代の西洋人にありがちなキリスト教至上主義に陥ることなく日本の文化を賞賛している。自然や人々、芸術などを丁寧に描写しており、当時の日本の風景が目に浮かんでくるようだ。文体も軽くてユーモアに富んでいて読みやすい。

この時代にですら、多くの日本人にとって宗教は信仰対象ではなくイベントのためのもの、あるいは単なる習慣で、自称「無宗教」の者が多いと指摘しているのが興味深い。日本人と宗教との関わり合いを客観的に捉えた貴重な意見。

本願寺の大谷家は皇室より古いって本当か?筆者は研究者だからデタラメは書かないと思うが、ちょっと調べてもそこまでは遡れなかったので。

一つ不思議だったのは、日本茶は神経を興奮させる危険な飲料だとしている点。茶会で振る舞われる濃厚な抹茶はもちろん、庶民の薄い日本茶ですらその晩の安眠を妨げる影響があったというのだ。たまたま筆者がカフェインに慣れていなかったためだろうか、緑茶自体が今とは異なるものだったのだろうか。

彼女が賞賛した伝統芸能は今も確かに残っており、彼女が顔をしかめた活け作りや、カフェインたっぷりの危険な緑茶も今なお健在。変わっているようで変わっていないのが日本なんだな。

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