本とゲームのレビューと雑文が中心。

書評:ファイナルファンタジー(コミカライズ版)
海明寺裕による、FF1の漫画版。


FF1のストーリーに関しては以前単独で記事を書いた事がある。シンプルなようでいて、ゲーム以外のメディアで再現するのは実は一番困難かも知れない。そんな難題に果敢に挑んだのが本作だ。そういえばFFのストーリーを通しで漫画化したのってこれが最初で最後かな?

元々のストーリーはテレビゲームだからこそ意味があるためか、「光の戦士」の解釈を始め、シナリオの根幹に関わる設定に結構手を入れている。ゲーム内ではイベントキャラに過ぎないマトーヤが、序盤から高位の赤魔導士としてパーティに加入していたりするのはその伏線である。あくまで「もう一つのFF1」として楽しむべき。

ストーリー自体はいくつかのイベントやダンジョンが割愛されてはいるが、流れとしてはゲームに忠実。全体的にはおちゃらけた部分も多いのだが、部分部分に光るエピソードがある。個人的には浮遊城のコンピュータ絡みのエピソードが好きだ(リメイク版だと雰囲気違うけど、FC版では金属質でハイテクな宇宙ステーションだった)。

戦闘シーンがあっさりしている感があるけど、尺の都合で仕方ないかな。とはいえマリリスとの空中戦や、デスマシーンとの電子戦のように、ゲームでは出来ないことを積極的に表現する姿勢が気に入った。クラーケンやティアマットの人間フォルムも独特の解釈だなぁ。

下書きされた文字が残ってたり、略字であろう「戦斗」をそのまま写植してたり、かなり大きいインクの滲みがあったりするのが残念。編集はもうちょっと真面目に仕事しろと。

マトーヤをはじめ、ゲーム上のイベントキャラが大活躍してるのが嬉しい。下手にオリジナルキャラを作るよりいいと思う。ゲーム内だと用が済むとろくな会話もしてくれないし、プレイヤーキャラ以外の事情が見えにくいので、そういう部分を漫画で補うのは良いことだ。終盤、ビッケの呼びかけから大団円に至る流れは、「もう一つのFF1」のラストとして大満足。

コメントの投稿

 管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバック URL

Copyright © 【かけるのブログ】. all rights reserved.