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書評:ファンタジーサバイバルブック
現実のサバイバル技術から見えてくるファンタジー世界のリアリティ。


このようなタイトルで、表紙には悪そうな魔道士とそれと戦う冒険者らしき絵が描かれており、各章の導入部にはファンタジー小説(それもいわゆる「剣と魔法」系が中心)の一節が引用されているのだが、内容は現実におけるサバイバル術が中心。現代の日本人にはあまり身近でない、古代から使われてきた技術を紹介することで、前近代風の世界が舞台の作品をより深く味わえるようになる。あとがきにある通り「ファンタジー世界を広げ、そして、その世界で楽しく生きるための手助け」となる本。

方角を知る、火や水を確保する、乗騎やロープの使い方や寝床の確保といった、冒険の基礎知識もあるが、本書の大半を占めるのは食べ物に関する記述である。旅人自身による現地調達から保存食はもちろん、神話や古典作品から引用した古代から中世にかけての宴会料理、さらには毒と薬の歴史など、世界各地の食に関する知恵をたくさん紹介。

サバイバルとは生き残ること。考えてみれば、生きるために必要な衣食住のうち、コンスタントな供給が最も重要なのは「食」の部分であり、その確保に血道をあげたからこそ今の人類がある。食の歴史とはすなわち人類の知恵の結晶と言っても過言ではない。各地の食文化には、その土地のあらゆる文化と歴史が内包されているわけだ。逆に考えれば「食」の考証が確かなハイファンタジー作品は、リアリティのある世界を描けているとも言える。

巻末の参考図書リストは圧巻。数えてないけど200冊は軽く越えてるんじゃないだろうか。古今東西のあらゆる文化に関する本が並ぶ。先日レビューした本田勝一の「極限の民族」シリーズも含まれててちょっと嬉しい。

ファンタジー好きなら間違いなく楽しめる本だし、生命力のある架空世界を創作しようと思っている人にとっては素晴らしい参考書かも知れない。

関連リンク:いするぎりょうこの穗蓼庵(著者サイト)

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