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書評:オンラインの微笑
オンラインといってもインターネットではなくパソコン通信。


時代は昭和末期。パソコン通信で新米主婦が事件に巻き込まれる。当時普及しつつあったらしいパソコン通信を舞台にしたライトタッチのミステリー。

ログインから始まって、メール・BBS・チャットなどが、CUIのコマンド等も含めて小説上で再現されているのが面白い。下手な解説書を読むよりも、当時のパソコン通信をわかった気になれる。文化的にも、現在のインターネットと地続きの部分があったりして興味深い。

昭和末期ということで、今読むとバブリーな世相が見える。バブルそのものを題材としてない分だけ、余計リアルに時代を感じる。ディスコにも海外旅行にも行かない、堅実なインドア派から見たバブルがある。趣味にボーナスをつぎ込めて、結婚したらすぐに専業主婦になるのが当たり前の時代があったんだなあ。

ただ、ミステリーとしてはいまいち。バーチャルでもソーシャルでもセキュリティ意識が薄すぎる、…というのは現代のネット慣れした目だからそう映るのかも知れないが、突飛すぎる社長の行動や、曖昧なままで終わるラストは擁護しがたい。

今だからこそ価値が出る、文化の缶詰のような本。

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