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書評:地球の食卓―世界24か国の家族のごはん
世界の食卓にお邪魔して家族の食生活をとらえた写真集。


アメリカ人が24ヶ国30家族の食卓に突撃取材!食卓に家族と1週間分の食材を並べた写真を筆頭に、食材店や食堂、さらには屠殺場や狩り場といった、その国の食生活に関わる写真をたっぷり収録。

オーストラリアの羊飼い、スーダンの難民、中国の農家、グリーンランドの猟師、日本のサラリーマン、ポーランドの寿司屋など、人種も職業もバラバラ。色鮮やかな食材や料理、それを囲む人々の笑顔を見ているだけでも楽しい。一家それぞれの自慢料理のレシピも紹介されているので挑戦してみる?

出版は2006年。グローバリゼーションだ何だと言ったって、地域に根ざした食文化というのは残っているものだ。一見すると同じように見える近代的スーパーだって扱う商品や売り方は千差万別。各地の食材を決してゲテモノ扱いしないのも良い。中国のヒトデの丸揚げだけは食べきれなかったようだが、中国人でも地域によっては食べないようなので上出来だろう。ちなみに一番美味だったのはエクアドルのクイ(食用モルモット)の丸焼きとのこと。

家族1週間の食材に関しては、メーカーや産地、値段なども含めて可能な限り詳しく紹介されている。自家生産品の市場換算価格まで書いてあるのは分かりやすくて良い。無償の労働など存在しないのだ。日本人としては、自国の魚食文化の豊かさに改めて感心した。1週間で十数種類もの魚介類を食べる家族は他の国にはいない。

人口や摂取カロリー、平均寿命やアルコール摂取量などのデータも充実。日本の肥満率が先進国はもちろん貧困国と比べてもかなり低いことに驚いた。各国ごとにジョーク的な項目があるのも笑える。「中国の農村部で殺人の手段として殺鼠剤が選ばれる順位:1位」とか。

随所に反ファーストフード思想が見えていて邪魔くさかったが、最後にアメリカの肥満率とかを見せられて、ああ恨むのも無理がないのかな、と思った。しかし多国籍企業による食文化への浸食と、高カロリー高脂肪食の弊害と、添加物などによる害はそれぞれ別個の問題であって、安易に「ファストフード」だの「加工食品」だのと一括りにすべきではないだろう。始めに感情ありきのように見えて仕方ない。企画や内容自体は素晴らしいのにそれだけが残念だ。

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